うつ病物語 その28「休職中の生活」

休職中は寝てばかり

初日は結局、食事以外の全ての時間で熟睡。自分でも信じられないくらい深く寝た。普通、昼間にこれだけ寝ると夜に眠れなくなったりするものだが、全くそんなことはなく夜も直ぐに熟睡。

こんな日が数日続いた後、昼前に床から出て朝食兼昼食、午後からぼちぼち活動、夕食や風呂を済ませて21時から22時に就寝、という生活サイクルの毎日となった。(健常者からすれば、とても自堕落な生活に感じるでしょうが、うつ病を治していく上では”ひたすらのんびりする”というのが非常に重要であり、現在、闘病中の方は何も罪の意識を感じる必要はありません。)

休職初期頃の状態、家族の距離

この頃の私は、今後どうしていったらいいのかという漠然とした不安が頭の片隅から離れず、常にうわの空で人(妻や義母など)の話を半分くらいしか聞けていない、無表情、話しかけても返事が返ってこない、という状態だったようだ。

妻の方は、私に対して付かず離れずの距離を取り、好きなようにさせてくれた。会社の仕事はおろか、家事もせずにダラダラしているこちらとしては、申し訳ない気持ちがどうしても拭えなかったが、病気を治すためと割り切って過ごした。(うつ病患者への接し方 本人はこう思っている!家族の心構え

それから妻は、労働基準監督署に電話をして担当者に会いに行き、個別紛争や休業補償などのことについて情報収集を行っていた。私としては、会社と争う気は無かったので気がすすまなかったが、とにかく全般的な情報を集めようという妻の姿勢には感謝の気持ちで一杯だった。

うつ病患者は漫画も読めない!

休職して家に居ると、これまでの生活と違って「時間」がとても沢山あることを実感する。じゃあ、本でも読もうかとなる人が多いと思うが、私の場合、それは上手くいかなかった。

きっと多くのうつ病患者がそうだと思うが、活字を読んで内容を理解することが出来ないのだ。新聞なども、一面の大見出しを見ただけで嫌な気分になり、全く読む気にならなかった。

せいぜい読めても漫画くらいだったが、漫画もその内容によっては嫌悪感が沸き上がった。具体的なタイトルは伏せるが、現代社会を舞台に、主人公が困難な状況から並々ならぬ努力で克服していくようなストーリーのものは、こんな状況下にいる自分自身が責められているように感じてしまい、暗い気持ちになるのがオチで、全く読み進めることが出来なかった。

漫画すら気楽に読めない病気、それがうつ病である。

 

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