名作漫画紹介 10冊目 魔夜峰央「パタリロ!」

名作漫画紹介

まれに見る長寿漫画

1978年から2019年現在まで41年間も連載が続いているという、にわかには信じられない漫画作品。

ダイヤモンド産業を基幹産業として潤う架空の王国、マリネラ王国の少年国王で、守銭奴で変人で変態で超能力者で非常識で馬鹿で天才なパタリロが、直属の側近タマネギ部隊のメンバーや、一応の友人?である、MI6の腕利き情報員バンコラン少佐や、その愛人マライヒ達と、本当に様々な騒動を繰り広げる漫画。

分類すればギャグ作品だが、基本プロットはシリアスな展開が多い。しかし、そのシリアスなハナシの途中でも、唐突にパタリロ達のギャグが入り何度も脱線、ドタバタした感じがずーっと途切れず、他の漫画には見られない「パタリロ!」ならではのノリが続く。

本線のストーリーは、本格ミステリーからスリラー、人情物からサスペンス、スパイアクションと非常に多岐にわたり、これだけの長寿シリーズなのに読者を全く飽きさせない。作者「摩夜峰央」氏の懐の深さ、途方もない引き出しの多彩さを感じること請け合いだ。

パタリロとバンコラン

ここまで10冊の漫画作品を紹介してきて、ふと見ると、「BANANAFISH」 「動物のお医者さん」「パタリロ!」と、うち3冊が女性誌で連載された(されている)漫画。

10代から20代過ぎまで、毎週読んでいたのは「少年ジャンプ」だけだったのに、なぜこうなったのか不思議だが、パタリロファンの私は気にせずに進める。

さて、これだけ長年続いてきた作品なので、主人公のパタリロが絡んだ相手キャラは、それこそ膨大な数になるが、一番面白いのは、やはり準レギュラーであるバンコラン少佐との絡み。

バンコランとパタリロは、先の説明で、”一応の友人”としたものの、作品中に二人の友情を感じさせるエピソードはほぼ皆無、気遣うシーンがまれにある程度で、罵り合ったり、罠に嵌めたり、利用したりと邪見に扱うシーンばかり。

互いの能力を認めていたり頼りにしている描写はそれなりに結構あるが、あくまでも依頼者と請負者の域を出ず、そのへんが非常にビジネスライクなのも、読者としては面白ポイントだ。

主役と準主役であるこの2人を主軸として展開する話は数多いものの、時間の経過を考慮しない世界設定なので、キャラ間の相関図は最初から完成しており固定。よって、いくら物語が進んで共闘シーンが続くようなことがあっても、パタリロとバンコランの関係性は変化しない。互いを見直したり、より親密になったりするようなことは無し。

例えば、「ドラゴンボール」で完全な悪役として登場したベジータが、読者もビックリのその後の紆余曲折で、ライバルから仲間にまでなってしまったようなサプライズ展開は一切期待できない。

この辺は好みが分かれるところだが、40年以上に渡って続く作品になるには、ここは諦めなくてはならないところだったのかもしれない。

絶世の色男、MI6随一の腕利き、バンコラン少佐!

摩夜峰央の絵柄は超個性的であり、パタリロ以外の作品でも、もう一目一発で「摩夜峰央作品」であることが分かるレベル。ごく初期の頃を除いて漫画家として安定してからは、絵柄は変りようがないと思っていたのだが、実は激しく劣化している…というネタが上がっているのだった。

いやいや、あのバンコランに限ってそんなことは、と思いつつ、ちょっと調べてみると…。

 全盛期のバンコラン

 晩年のバンコラン

ちょっとあり得ないレベルで変化していた。おいおい、別人じゃねーかよ。

…なんでこう、漫画家の絵柄というのは、全盛期が長く続かないのだろうか?変化はありつつも、いい感じを維持する漫画家よりも、残念な感じになる人のいかに多いことか…。

…絵は、描き過ぎるとかえって下手になるのかもしれない。

 

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