うつ病物語 その160「うつ病への誤解を解きたい!」

うつ病物語

誤解の多い病気「うつ病」

うつ病物語 その157その159」で、うつ病のことを分からない人にありがちな短絡的志向の記事を書いたが、まだ、少し言い足りない。

うつ病からの回復途上にある人や、順調に回復して寛解(完治)に到達した人に対して、「からだを動かして気持ち的にサッパリと過ごすのが良かったんだな。」と、こういう捉え方を単純にしてしまう人は、うつ病というものを根本的に間違って理解している。

うつ病患者や、その家族と直に接しなければいけない人は、誤解の多い”うつ病”のことをしっかりと勉強した上でなければならない。

思い込み半分の付け焼刃の認識で、それらしい言葉を掛けたりしてほしくない、というのが、実際に罹患して苦しんだ者としての、心からのお願いだ。

なぜ、身体を動かして…というのが、”うつ病を分かっていない”ことになるのか?

これは、うつ病経験者なら嫌でも実感することなので言うまでもないが、未経験者には理解が難しい部分だ。

身体を動かして、という表現をかなり広げて解釈すると、ストレス発散のために能動的な行動を取る、ということになると思う。

気分転換に仲間とスポーツをしたり、恋人と映画を見たり、親友と酒を飲んだり、盛り上がったG1レースの馬券を買ったりするのは、自らの意志によるところである。その結果、スポーツが思ったほど面白くなかったり、せっかく見た映画がつまらなかったり、飲んだはいいが悪酔いしてしまったり、馬券が外れたりすれば、確かにいい気分にはならないが、それは結果であり、基本的には、その行動は楽しいことだ。

だから、能動的な行動の代表格である”身体を動かす”ことが、気分サッパリに繋がるであろうことに異論はない。全くスポーツマンではない自分でも、やはりそう思う。

だが、身体を動かす、というのは、当然ながら自らの意志によるものだ。先ずは、自分の意思や意欲が先にあって、身体を動かすのはそれに続くものだ。

ここまでの表現で、うつ病未経験者にはピンと来ないかもしれないが、何となく違いを分かってくれただろうか?

回りくどい言い方になってしまったが、単純に身体を動かすことが、うつ病の回復に繋がるのではないのだ。回復に繋がるのは、ただひたすら”休息”だけだ。何もせずボーっとすることだけが、うつ病になって気力を失ってしまった自分を、元の姿に近付けてくれる。

でも、一般的には、そんなことは誰も知らない。適度に身体を動かしてリフレッシュすれば、軽度のうつ病は治るし、中度以上のうつ病でも回復を促すはずだと、巷では、なぜかそう思われている。役員Aをはじめ、私より上役の人達は、そうした考えを持っている者が多かった。

”体を動かして汗かいてサッパリすれば、うつ病なんかにならないよ(直ぐ良くなるよ)”という、したり顔の説教は、まったく”うつ病”のことを分かっていない人と戯言だと、私は断言する。

余談だが、私は、通院しながら何とか仕事をしていた頃、二人で何時間でも飲みかわせる間柄の、とても親しい友人(本社人事部の友人A)が久し振りに出張でやってきたというのに、その誘いにも、元気なく断る行動しか取れなかった。

もう、とにかく能動的な行動を起こす元になるエネルギー、気力が、本当に無くなっている状態。

…ああ、本当に思い出すのも嫌な毎日だった。

 

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