うつ病物語 その82「傷病手当金の申請」

傷病手当金の申請

休職は4ヶ月目に入った。もう随分と長いこと会社に行っていないのだが、当人としては、思いのほか時間が経つのが早く感じられ、もう3ヵ月以上も休んでいるのかと思うと驚いてしまう。

私は、2月の頭から休職に入ったが、3月末までは残っていた有給をあてたので給料の心配は無かった。しかし、4月からは、初の傷病手当金の申請である。

新年度に入ってから付与される有給を使う方法もあったが、上司Aとの話し合いの中で、それは復帰後の通院などに使うことにしていた。

傷病手当金の申請…、いよいよ休職っぽくなってきたが、まごまごしているとそれだけ入金が遅れる。これまで当たり前のように入ってきていた毎月の給料が入らないというのは、家計にとって大変なことなのである。

以前、給料袋に同封されていた会社の担当者からの説明に従い、妻がネットから申請用紙をダウンロード印刷して病院に提出、医師の記入欄を埋めてもらって、それを会社に送り、会社から社会保険事務所に送付、後日、入金になるという手筈になっていた。

会社の担当者によると、初回ということもあり、入金までは1ヵ月くらいはみた方がよいとのことであった。え~!そんなにかかるの?と思って覚悟していたが、実際には、2週間とかからずに通知ハガキが届き、無事に入金された。

入金された金額は、社会保険の月額報酬額の3分の2なのだが、初回ということで、待期期間3日分が減額されており、その分だけ事前の計算が狂ってしまった。

それでも、病気によって給料を貰うことが出来なくなった身からすれば、非常に助かる制度である。この傷病手当金は、最長1年6ヶ月について受給することが出来る。まさか自分がこういう制度を利用するとは夢にも思っていなかったが、スムースに事が運んで安堵した。

久し振りの息子の寝顔

いつもはなかなか布団に入ろうとしない下の子だが、この日は、昼間の部活動で疲れたのか、素直に横になった。私は久し振りにその隣につき、しばし息子との会話を楽しんだ。

ちょっと目を離すと、息子はすでにぐっすり眠りに落ちていた。何だか久し振りの感覚で、思わず感動してしまった。息子たちの成長は早く、こうして息子を寝かしつけることなど、もう無いかもしれない。

私は貴重な時間を、病気によって随分と浪費してしまったのだ。

「そうだよ、大事にしないと。」

そう、妻にしんみりと言われ、私の中を寂しさが駆け抜けていった。

 

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