1989年リリース、ソロ活動を開始した玉置浩二の2枚目のシングル。

この曲に関しては、主題歌となったドラマ「キツイ奴ら」の説明を先にしなくてはならない。1989年の1月~3月にかけてTBS系で放送された連続ドラマで、金庫破りを特技としながらも地道な生活を夢見る男と、女に滅法だらしがないが憎めない弟分との友情を軸に、1ヶ月100万円という地獄のような借金返済生活をコミカルに描く快作である。

当時の玉置浩二は、安全地帯の活動を停止してソロ活動を活発にさせた時期であり、まだ現在とは違い、カッコよくすましたイメージが先行していた時期だったが、このドラマでは、女にどうしようもなく節操のない男を照れくささを感じさせずに演じており、お茶の間の玉置浩二イメージを崩壊させていた。

また劇中では、借金を返すために始めた流しのバイトシーンが頻繁に登場し、玉置浩二がギター片手にその歌唱力をこれでもかと披露、それに合わせる兄貴分役の小林薫もなかなかの歌声で、2人のハーモニーは妙に聴かせるのである。

高校生の時だったが、このドラマはクラス中で結構な人気となり、安全地帯ファンの私としては密かに喜んでいた。ただ、圧倒的に男子人気が高かった。安全地帯や玉置浩二を良く知らなかった級友たちが、ドラマを見て「玉置って歌上手いんだな~」と驚いているのを、私は横目で見ていたものである。

ちなみに借金した元ヤクザ稼業の若頭には柳葉敏郎が扮しており、踊る大捜査線の室井サンとは大違いのぶっとんだ演技は爆笑必至で、主演の2人に負けず劣らずの存在感を見せている。

この「キツイ奴ら」は有名なドラマではないし、決して名作でもないが、コントのような展開からホロっと泣かせるようなシーンもあったりして視聴者を惹きつける。恋愛要素も一応あるが、あくまでスパイス程度で、どこか間の抜けた男達の、しかし男気のある大人たちをユーモアたっぷりに描いた凄く味のある面白いドラマである。是非、ご視聴あれ。

ドラマの話ばかりになってしまったが、この曲は、このドラマの妙なテンションに凄くマッチしていた。「つづく」と表示されてからパッと画面がエンディングテーマに切り替わった直後に鳴り響く、特徴的なイントロはインパクト大であり、サビではファルセット連発の難易度の高いメロディは玉置浩二でしか歌いきれないような曲だが、それが実にいい。一般的な名曲には程遠いが、強烈なパンチのある一曲である。

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