Contents

スポンサーリンク

BUCK-TICKってカッコいいよね!

バンド名の由来は調べるまでもなくもう絶対に「爆竹」からだと思うけど、その語感とイメージが最高にピッタリな「バク-チク」。

ブレイクしてから一番有名なシングル「悪の華」までは、歌謡ロックな要素も前面に出ていて初見さんでも聴きやすかったが、その後は玄人向きというかポップス感は乏しい曲調が中心になり、相手を選ぶようになった。

ただ、キャッチ―さは薄れても輪郭のハッキリしたカッコいい曲ばかりで、更に、30年以上に渡って往年の姿を保ち続けるイケメンボーカル「あっちゃん」こと櫻井敦司の声色は魅力たっぷり。

昭和から令和の現在まで引き続き活躍しているという貴重なロックバンドの筆頭だ。

BUCK-TICK史上、最も売上枚数の多いアルバム「悪の華」

注目を浴びてからの昇り調子が一気に消滅する可能性もあった不祥事(ギター今井寿の薬物所持)を乗り越えて、オリコン一位に輝いたアルバム「悪の華」。

その一曲目の「NATIONAL MEDIA BOYS」は、BUCK-TICKの中で私が一番好きな曲だ。

ライブでも大盛り上がりみたいで当時PVも作られた重要曲だが、何回聴いても「これは変わった曲だな」と思わされる、とっても個性的な曲でもある。

ここで大事なのは、相当に変わってはいるけど、何回も聴きたくなる気持ちよさがある点だ。

最高に変な曲をという狙いで作られているらしいが、主旋律とコード進行はかなり奇妙であっても、どこかで整合性が取れているのだと思う。でないとただ滅茶苦茶なだけの不快な曲になってしまう。

そして、その奇妙な快感を後押しするのは、歌詞も大きい。

この「NATIONAL MEDIA BOYS」は、イントロはアルバムのトップを飾るに相応しいムードが(一応)あるが、その後に続く歌詞は「超人は千年まで夢を見る」。

ちょっとアレっと?と思わされたが最後、その後も、一体何を歌っているのだろう?という言葉が続き、ずっと不思議な気分のまま、あっという間にギターソロあたりまで過ぎてしまう。

が、本当にリスナー置いてけぼりで突っ走ってしまった感じではなく、私達はしっかり掴まれたまま、別次元な世界観と物語を喚起させる不思議な歌詞にほだされ、気が付いたら曲が終わっている、という錯覚を覚えることになる。

私は、この曲を気に入って何度も何度も聴くうちに、ふと、大好きな漫画のあるキャラを歌っている曲のような気がしてきて、そう思い始めたらそうとしか思えなくなってしまった。

その漫画とは‥「ジョジョの奇妙な冒険」

漫画家、荒木飛呂彦の代名詞「ジョジョの奇妙な冒険」の第一部、その初っ端から登場する重要人物「ディオ・ブランド―」。 ※後の話では「DIO」と呼称。

ディオは、主人公ジョジョのライバルとして完全な敵役で登場。ジョジョが研究していた古代の石仮面の力を得て人間を超越した吸血鬼となり、「URRRYYYYY!!!」や「無駄無駄無駄無駄無駄アッ!」等、数々の名台詞を生んだ強キャラ。

吸血鬼は文字通り「鬼」であり、人間を食べれば食べるほどパワーアップすることや、自分の血を与えて仲間を増やすことなど、「鬼滅の刃」のモチーフになったと言われているが、「NATIONAL MEDIA BOYS」の歌詞には、そのディオを連想させるワードが幾つも出てくる。

『奇形の円舞曲』 → 戯れに人間と動物(犬)を融合させた奇形を作る吸血鬼ディオ

『殺しのファンファーレ』 → 「このディオにファンファーレでも吹いているのが似合っているぞッ!」

『Hi Grade Monkeys Dream』 → 「お前はこのディオにとってのモンキーなんだよジョジョ!」

『時計を焼き尽くせ 不老不死の夢さ』 → 「不死身!不老不死!俺はこの世を支配できるッ!!」

『狂気の淵で君を待つ 天才と神の気紛れ』 → ディオは天才的でもあり、神に近い存在にまでなる

『黄金の世界』 → 後のディオに発現した超能力「ザ・ワールド」

「NATIONAL MEDIA BOYS」は1990年、少年ジャンプでディオが活躍したのは1987年からなので、ひょっとすると‥、とか思ってちょっと調べたが、やっぱり全然関係なかった。

「NATIONAL MEDIA BOYS」の作曲者 今井寿

今井寿は、「NATIONAL MEDIA BOYS」に関して「とにかく変態的でメロディはキレイで、妙に明るかったりマイナーになったり。グチャグチャにしよう」と考え、それまでは意図的に避けていた日本的なメロディのロックンロールとして制作したと語っている。

また、歌詞に出てくる「Adolf」とはヒトラーのことで、そのヒトラーを仮面ライダーの敵ショッカーのように受け取っていたようだ。

作詞、作曲、編曲、とあるうち、私はやっぱり作曲者に対して一番の敬意を払ってしまう。

ゼロから曲を作り出すことの出来る人、その人がどうやって曲を創造しているのか、私には思い描くことができない。作詞ならなんとか‥‥と思ったりもするが、この「NATIONAL MEDIA BOYS」の詩を目の前にすると、いやいや、やっぱり作詞も無理だな、と打ちのめされる。

そしてBUCK-TICKのギタリスト今井寿は、この「NATIONAL MEDIA BOYS」の作詞者であり作曲者。

超一流のミュージシャン、数十年に渡って第一線で活躍し続ける人は、こういう人のことを指すのだろうと思う。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事