皆が親しんだちょっと品の無い?国民的アニメ

1975年に放映されて人気を博したテレビアニメ「タイムボカン」のエンディングテーマ。

70年代後期から80年代にかけて幼少期を迎えた”団塊ジュニア世代”ならば、先ず知らない人はいない超有名なアニメだろう。このアニメは続く「ヤッターマン」で人気の頂点に達し、「タイムボカンシリーズ」として長らく土曜日のお茶の間を彩ってくれた。

この一連のシリーズの主題歌は、中日ドラゴンズ応援歌「燃えよドラゴンズ」が有名な山本正之が作詞・作曲とも担当しており、自らが歌うことが多かったが、この「それゆけガイコッツ」に関してはロイヤルナイツという男性4人のグループが担当している。

今でこそ、敵役側の主題歌など珍しくないが、アニメのエンディングテーマとして、敵役を起用したのはアニメ史上初とのこと。まったく何にでも先駆者がいるものである。

なぜか脳裏に浮かんだメロディー

今、私は工場勤務で、しかも新入りなので、黙々とライン作業につくことが多いのだが、単純な手作業仕事に没頭していった時に、変な瞑想状態みたいになった経験を持つ方はいないだろうか。

周囲への関心が消え、動かす手は半ば自動操縦になり、スーッと心が静かになっていく感覚。この状態においては、疲れや飽きも感じなくなるから不思議である。

この状態になってくると、ふと昔のことを思い出したりするのだが、ある時、妙なイントロから始まって変な歌が脳裏に浮かんできた。

♪ウッハッハ ウッハッハ ウッハッハのハ!

…あれ?この歌は、ヤッターマン…だっけ?

♪俺たちゃ天才 うんうん 頭いいぞ うんうん

♪ワルサァァァ~ グロッキィィィ~

…んん?「ワルサ―」と「グロッキー」ってことは違うか、タイムボカンか!(ヤッターマンでは「トンズラー」と「ボヤッキー」)

47歳にもなって、幼少の頃に見ていたアニメのキャラ名をしっかり覚えていることには問題があるが、この独特のリズムとアホみたいな歌詞が醸し出す名調子は、目の前の単純労働にドンピシャで、ついつい口元が緩んでしまった。

実は労働者の心の歌!

永遠に勝てない主役に挑戦し続けるタイムボカンシリーズの3悪トリオは、このタイムボカンが元祖だが、女ボスが「マージョ」、頭脳労働が「グロッキー」、肉弾戦が「ワルサ―」と、上手く職務分担されており、主人公を倒すための毎回のメカ作りの時に、この曲がかかっていたはずだ。道理で単純な肉体労働時のBGMにフィットするはずである。

なぜかこの曲は、あるかどうか分からない金塊を目指してツルハシで穴を掘り進めるとか、未開の地を目指して道なき道を進んでいくとか、そういうシチュエーションに合っている。

この耐えがたきを耐え…、という感じは、単純で、しかも肉体を酷使する作業にこそ合致する。うんうん「それゆけガイコッツ」は名曲だ。そして最後の一節は、なぜか労働者の心を僅かに奮い立たせる。

♪タァァイムボカンを追いかけて、それゆけそれゆけガイコッツ ツンツン ガァァァァァイコォッツゥゥゥ~

…私はどうやら、主役側ではなく、ガイコッツ側の人間だったようだ。敵役の悪者達とはいえ、ある意味勤勉で人間味あふれる彼女彼ら側だったことは、それはそれで誇らしくも感じるが、この歳になって、3悪トリオのチーム名?であるガイコッツの心情を深く理解出来るとは思わなかった。

 

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