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一発屋じゃないぞ!「LINDBERG」

1990年リリース、LINDBERG2枚目のシングルで自身最大のヒット曲。

プッシュされる新バンドが乱発した時代背景的に、一発屋にもなりかねないバンドだったが、女子ボーカル渡瀬マキの、まるで漫画に出てきそうなボーイッシュ女子振りと、とても癖の無いポップス感が人気を集め、当時は広く親しまれたバンドだ。

”親しまれた”という表現をしたけど、1989年から1990年末まで約2年に渡って放送され人気を博した「いかすバンド天国」に端を発したバンドブームが盛り上がる中、LINDBERGは、アイドル出身の渡瀬マキが、バックバンドと組んで出来上がったという異色の経歴を持つ(ちなみにLINDBERGはイカ天とは関係がない)。

「今すぐKiss Me」の他にもヒットした曲は数多く、かなりの人気と知名度を誇ったが、LINDBERGブームが生まれたとか、熱狂的支持者が居たとか、そういう感じではなく、当時の中学生から高校生を中心に、あくまで”親しまれた”という立ち位置だったように思う。

LINDBERGの活動期間は1988年から2002年までが一区切りで、私が高校生から新入社員を過ごす頃が人気のピークだったが、男も女も、LINDBERG一押しの強力なファンには会ったことがない。

逆にアンチも周囲には無く、その癖の無さと爽やかさが魅力だった。

LINDBERGは女子ボーカルと男子演奏陣

今、LINDBERGの楽曲達を改めて聴いてみると、サラッと健康的で聴きやすいが、良くも悪くもリスナーに刺さる癖とか特徴、旨味のようなものも薄い(あくまでも個人的な感想です)。

正統派で爽やかなロックサウンドだし、ビートが効いた曲も多いけど、歌詞やバンドサウンドについて、特に惹きつけられるものは(私には)感じられない。

渡瀬マキのクリーンで可愛い歌声が最大の、そしてそれが唯一の武器のバンドだったのかもしれない。

ボーカルが女性でメンバーが男性という布陣は、あの伝説バンド「レベッカ」と同じだが、繰り出す楽曲やそのバンドの生涯は大きく異なっている。楽曲の性質も別種で、女子ボーカル+男性演奏バンドの、全く違うタイプのスタイルを提示した。

「渡瀬麻紀」→「渡瀬マキ」

私が高校生当時、「今すぐKiss Me」でLINDBERGのことを知り、「渡瀬マキ」という名前を見た時、何かどこかで見たことがあるような名前だな…と思い、しばらく考え込んだことがあった。

しかしいくら考えても出て来ない。どこかの雑誌記事じゃないか?というところまでは漕ぎつけたのだが、それが何の雑誌だったかまではどうしても解明出来ず、しばらくして諦めたのだが、それから数年経った頃、偶然発見した。

私はその時、珍しく気が向いて部屋の模様替えをしていたのだが、隅に積んでった雑誌の類を捨てようと整理していたら、「ファミコン通信」という、懐かしいものが発掘された。

「ファミコン通信」は、中学校の時の創刊号からしばらく買っていたが、高校生の時には離れていた。そしてもうとっくに全部捨てたものと思っていたので、片付けを中断してついつい読み込んでしまった。

「ファミコン通信」は当然ながらテレビゲームの本なので、紙面を埋め尽くすのはゲーム画面ばかりなのだが、私の手元に残っていた刊には売り出し中のアイドルを紹介するコーナーがあり、そこに「渡瀬マキ」は、アイドル「渡瀨麻紀」として取り上げられていたのだった。

おお!ここだったか!と思い興奮気味に字面を追う私。そこには、渡瀬マキの可愛らしい写真と共に、「今の私の歌は、可愛らしく歌うものばかりなんですが、もっと”ワーッ”と声を出してみたいです。」とアイドルとしての歌手活動への不満めいたものを漏らすコメントが載っていた。

ああ、やっぱり、この頃から、そう思っていたんだな…と、私は大いに納得。

LINDBERGは、「渡瀬麻紀」が「渡瀬マキ」として夢を叶えた姿だったのかもしれない。

そう思うと、曲の印象もまた変わってくるから不思議。

 

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