名作漫画紹介 3冊目 水野トビオ「パッパカパー」

名作漫画紹介

まずは私の競馬歴を…

私は、かつて競馬が大好きだった。

今は、せいぜい年末の有馬記念しか買わないので、博打からは足を洗ったというか、競馬から引退したと言っていいと思う。

競馬というものは、買ったレースは全部当たると思って資金を投入しているし、たまに訪れる予想的中の快感が忘れられずに、ついついのめり込んでしまうものだが、ある馬のファンになってしまったことでのめりこむ場合も往々にしてある。

私が初めてファンになったのは「メジロライアン」という馬だった。もうかれこれ、ざっと30年前の話になる。この馬は、かの”競馬の神様”とうたわれた大川慶次郎氏も惚れ込んだ馬だったが、クラシックと呼称される3冠レース(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)は好走するも無冠、晩年になって、やっと宝塚記念を勝ったが、名馬とは言い難い成績で終わった。

続いてファンになったのは、「ビワハヤヒデ」。この馬には、本当に惚れ込んでしまった。あの三冠馬ナリタブライアンの兄であり、引退レースとなった天皇賞を除く全てのレースで連対(1着か2着)を外さなかったという堅実な成績を残したが、勝ったG1レースは3つと、歴史に残る名馬にはちと物足りず、その後も脈々と続いていく競馬史の中に埋没していった。

最後にファンになったのは、「ナリタトップロード」。同期は、日本競馬史上で最高に強かったと個人的には思っている「テイエムオペラオー」で、私の愛したトップロードは、菊花賞でオペラオーに勝ってくれたが、それ以降は、幾度もあった直接対決で一度も勝つことが出来なかった。そのもどかしい成績に反してかなりの人気を集めた馬で、長く現役を続けたが、もうひと花を咲かすことはなく引退していった。

パッパカパーという漫画

都合、競馬を20年以上はやってきたので、語りだすと止まらなくなるためこの辺にしておくが、平成における社会現象化した怪物ホースと言えば、やはり「オグリキャップ」と「ディープインパクト」だろうか。

特にオグリの時は、大して可愛くも無いオグリのぬいぐるみが飛ぶように売れ、皆、アホみたいに車のリアガラスに飾っていた(私はやっていません、笑)。

この「パッパカパー」は、そんな、空前の競馬ブームで、裾野が大きく広がった時代の漫画である。

コンビニでバイトしながら予備校に通い、まっとうな人生を歩もうとしている頑固な生真面目男と、競馬で王侯貴族の生活を夢見るチャラい男、この対照的な2人の男を主人公に、全国津々浦々を逃避行しながら競馬の神様に弄ばれる人生を、面白おかしく描いた漫画である。

にわかには信じられないが、原作はなんと武論尊。あの「北斗の拳」の原作者である(この作品に関しては史村翔名義)。

全く性格が違う2人の主人公だが、競馬というものが、まるで二人の”かすがい”のように作用し、お互いに縁を切りたいと思いつつも、なぜか繋がってしまう奇妙な縁…。

競馬の他、下ネタなども多く、はっきり言ってしまうとバカ漫画なのだが、この2人の変な友情?をうっすらとバックにしながら、競馬に人生の全てを掛ける狂人達の濃密な描写が実にアホらしく、ギャグを散りばめた、破天荒な玄人の馬券師ストーリーとして、いいバランスで成立している。

名作という呼称は当てはまらないし、万人には勧められない漫画だが、「競馬で生計を立てる」という夢(悪夢か?)に少しでもロマンを感じる方なら、きっと面白さを分かってくれるだろう。

 

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