名作漫画紹介 2冊目 井上雄彦「SLAM DUNK」 

名作漫画紹介

史上最高のバスケ漫画でありスポーツ漫画だが…

アニメ化やゲーム化もされ、誰もが知るジャンプスポーツ漫画の金字塔かつ、バスケ漫画のパイオニアでもある「SLAM DUNK」だが、好きなキャラは誰?という質問に一番答えにくい漫画ではないだろうか。

…そうだな~、私なら、先ず三井、赤城、小暮の湘北3年生組、そして宮城、仙道、あ、魚住、田岡監督、牧…、まだ出てきそうだが、主人公が出て来ないのに、既に多すぎる。

この漫画、確かに「桜木花道」が主人公で、「流川楓」が準主役であることに異論はないし、そういう風に話も進行していくが、サブキャラ・ライバルキャラが魅力的過ぎて、主人公よりライバルチームを応援したくなってしまうという、実に楽しく実にもどかしい漫画なのである。

この漫画に関して、ジャンプ誌上で「人気投票」の類は無かったように記憶しているが、もし開催されていれば、1位は仙道だったんじゃないだろうか?桜木や流川は果たしてベスト5に入れたかどうか…?

ライバルチームに魅力あり過ぎ!

クレームの無いように言っておくが、桜木も流川も、かなりのポテンシャルを持つ強キャラである。桜木の類まれな才能と成長力には手を叩いて応援する気持ちになったし、流川の負けん気の強さとそのプレイには爽快感が炸裂していた。立派な存在感のある主人公と準主人公だ。

しかし、である。やっぱり「SKAM DUNK」は、サブキャラ・ライバルキャラの漫画だと思う。作中で過去を掘り下げられたのは、単なるチンピラキャラから「中学MVPの元バスケ部員」という地位を与えられた三井や、注目されながらも「デカイだけ」と苦労した魚住くらいであり、流川や仙道、牧に至っては、苦労話や挫折話の類は全くなく、登場からいきなり超S級の実力者として颯爽と描かれるのみである。

そのまま最終回へと繋がってしまった「山王戦」も勿論面白いが、全国出場を賭けた地区予選がこの作品のクライマックスだろう。絵柄もちょうどよく洗練された時期で、どのキャラも大変スタイリッシュでカッコいい。

「翔陽戦」も「海南戦」もそれぞれテンションが高くて引き込まれるが、やはり魚住・仙道と全国を賭けて激突する「陵南戦」が一番スリリングだ。

この試合に関しては特に、敵方の主将である魚住のエピソードが語られること、途中からは湘北ではなく陵南サイドから話が展開されていること、また桜木と流川の最大のライバルである仙道が、それまでの飄々とした雰囲気をかなぐり捨てて、湘北を倒すために全力を振り絞ること、などにより、どちらが主人公チームなのか分からない描かれ方になっている。

試合終盤、湘北を追い詰める陵南だが、ギャグシーンも担当した好キャラである陵南の田岡監督の僅かな読み違えにより、「素人」桜木と、「控えの薄いベンチ要員」小暮にしてやられ、一歩及ばず涙の敗退となる。

この試合は、何度読んでも敵方の陵南高校を応援したくなるストーリー展開で、私は、スラムダンクで描かれたどの試合よりも、この陵南戦が好きだ。

未読の方は不幸!是非読むべし!

スポーツ漫画と言えば、「野球」か「サッカー」というなかで、「バスケットボール」をこれほど面白くした作品は、金輪際現れないと言い切りたくなるほどの完成度、またその引き際の素晴らしさである。

超有名な漫画だからと言って、斜に構えてはいけない。冗長さ皆無、バスケットボールの魅力と、ずば抜けたキャラ造形の上手さを堪能出来る、本当に面白い漫画である。

 

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