うつ病物語 その141「うつ病管理職と経営者」

うつ病物語

会社の古い体質

こうして、うつ病による5ヶ月の休職から職場復帰して、およそ半年が経った私に対する、役員勢揃いの中間人事面談はあっさりと終わった。

「先ずは病気を治しなさい。」

というのが前面に出ていた人事面談だった。

今回の人事面談に限らず、これまでの会社側の対応を通してみると、会社として責任を感じている雰囲気は確かにあるのだが、一方では、「まったく、こんな程度で”うつ病”なんかになってるんじゃねえよ。」「自分達の頃に比べて、随分と精神的に弱い社員が増えたな。」という匂いも同時に漂っていた。

私が、曲がりなりにも管理職という職位にあるからだろうか?これが一般社員だったら、この会社でも、もうちょっと罹患者側に立つというか、うつ病を発症した原因について本腰を入れて調査し、それなりに改善を試みたりしていたように思うのだが、そうした動きは当初から希薄だった。

会社によってかなり差があるだろうが、私の勤めている会社は、「管理職=経営者の手足」という扱いで、工場長やライン課長など、正に中枢と言えるポイントの管理職に就いてしまうと、馬車馬のごとく休日返上で働かされる上に、無理難題を連日のように突き付けられつつ、業績という強烈な圧を掛け続けられ、仮に何か問題が起きた時には、その全ての責任を追及されるような仕打ちを受けるのだ。

まあ、それに見合う報酬が得られるならば、そうした扱いもアリなのかもしれないが、実のところ、管理職と一般職の上位職との年収差は大したことは無く、特に管理職に昇格しての数年は、全く割に合わないというのが実態だ。

およそ、管理職という人達について、会社は、良く言えば「経営と一体の幹部」と考えているようだが、実のところ「会社が守るべき社員」とは思っていない。ましてや、うつ病になるような管理職は、管理職にするべきではなかった”弱いヤツ”という評価が関の山である。

まだまだ古い体制を引きずる業界の性質もあるが、いわゆる「ウチの会社」は、そんな会社である。

初、挨拶…?

私や家族の苦難に対し、うつ病発症の根源である「役員A」は、会長や社長からは評価されて偉そうに君臨しているが、私とは、職場復帰直後の屋外イベントで一言交わした後は、全くコミュニケーションが無いまま過ごし、この人事面談が久し振りの会話だった。

その役員Aの上から目線の態度に私は呆れる思いだったが、この人事面談の数日後、社員食堂に向かう際に行き会うことがあった。

私は、役員Aとは極力接触したくないので、無意識に距離を取ろうとしたのだが、彼は私の方をチラッと見て、こう言った。

「お?こんにちは。」

ほんの一瞬だったが、こちらに目線を向けての一言だった。

”私がうつ病になったのは誰が何と言おうとアンタが原因だが、別に恨んじゃいないよ”私には、そんな思いが沸き起こるのだった。

 

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