うつ病物語 その132「友人との久し振りの酒」

うつ病物語

うつ病に例外は無い!

職場は繁忙期入りし、私は毎日忙しい日々を過ごしていた。これまでの職歴が殆ど役に立たない工場部門なので、本当に分からないことだらけだったが、それでも少しずつ、出来ることが増えていき、言われる前に先読みして動けることもボチボチ増えてきていた。

気分としては、もうスッカリ工場部門の人である。私個人や、少数のチームで黙々とやることが多かった前職場と違い、大勢でひとつのことを進めていく生産工場という仕事は、仲間意識を強く感じることができ、うつ病によるメンタル低空飛行もあって、長らく強い孤独感に支配されてきた私には、非常に新鮮だった。

たとえ仕事が辛くとも、同じく耐えているであろう仲間が居ると思えば、その辛さは薄まるのである。終わった後の解放感と充実感、そして同僚に軽く挨拶して見送る時の安堵感は何物にも代えがたく、毎日、それを感じることが出来るのは、うつ病休職からの再出発である私にとって、とても貴重かつ有効だった。

こうして、肉体的には辛くとも、精神的には健全な日々を送っていると、自分がなぜ”うつ病”になってしまったのかが、しっかりとした実感を伴って分かってくる。

うつ病は、決して特定のカテゴリーに属する性格や性質の人達だけが罹患する病気ではない。一定の条件が揃えば、どんなに精神的にタフな人であろうとも、お構いなしに誰しもが蝕まれる精神病であると、私は断言する。

友人Aと久し振りの酒

今日は、工場長や他の人達に事前に伝えてあったのだが、残業している職場を置いて早く退社する日だった。久し振りに本社人事部の課長である友人Aと晩飯を一緒するのである。

彼は、私の家に家族で泊りに来たこともあるほどの仲で、自分には無い、その強い行動力と熱い信念に、尊敬の念を抱く友人である。彼は彼で、私のことをなぜか買ってくれていて、温厚で平和主義な私とは、人間のタイプとしてはまるで違うのだが、最初から不思議と馬の合う間柄だった。

友人A「お!お疲れさん!先にやってたよ。」

私「イヤイヤ、全然イイっすよ。」

元部下「いや~!〇〇サン!何だか久し振りですね!」

今日の酒席には、私の元部下である女性も参加していた。友人Aとも親しい。とてもイイ奴で、前面に出る職務能力は平均レベルだが、人間的魅力や豊富な人脈は社内随一と言っていい、貴重な女性である。

友人A「このサンマ美味いね。あ、〇〇、何か注文しないの?」

友人Aは、神奈川県出身だが、北海道にはもう数えきれないくらい来ているので、北海道の幸にも非常に詳しい。実際には、こういう相手を満足させるのは大変なのだが、まあ友人だから適当でいいか。

こんな風に気楽に構えられる宴なんて、本当に久し振りだった。

 

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