うつ病物語 その190「やはりSさんは出社してこなかった」
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一週間の休みなんて、うつ病には焼石に水でしかない

一週間の休み。日本のサラリーマンに取っては長い『まとまった休み』でも一週間なんてアッという間。直ぐに週が明けて月曜日になったが、やはりSさんは出社してこなかった。

私と部下I、それに同期入社のDは、「そりゃそうだよね」という思いでしかなかった。勤続30年のベテラン管理職が、ハッキリ説明できない理由で休みだしたと言うのに、たった一週間で復帰するはずがない。

上司A達の見方は楽観的過ぎるというか、現実が見えていなかった。

一週間だけ休むというのも、上司AがSさんと電話で話してそうなっただけで、単に

上司A「そうか、マズ分かった、今週はゆっくり休んでリセットしてくれよ、来週からは出てこれるだろ?」

Sさん「‥はい、そうします。」

という程度のものだったのが目に浮かぶ。

Sさんはまだ医者に診てもらっていないので、うつ病などと病名を宣告されてはいないし、また、自分自身、精神的な病気だとまでは思いきれず半信半疑なはずだ。

そんなことより、自分が急に会社を休みだしたことを申し訳なく思う方が強いので、職場からの「一週間も休めば大分楽になるだろう、大丈夫だよな?」という言葉に対して、最初から「いえ、無理だと思います」だなんて言えない。

相変わらずな上司A‥

その次の日の朝、上司AはSさんに電話をしていた。本当ならSさんはそっとしておくべきなのだが、Sさんが担当していた仕事を引き継いだのは上司Aのため、ある程度は仕方がない。

上司Aは直ぐ近くで話しているため、自然と内容が分かってしまう。どうやら今日のSさんは内科にかかり、その後、上司Aと何処かで落ち合って会って話をするようだった。

しかし、その割には、上司Aの話は仕事と病状伺いを行ったり来たりして延々と続いている。

(夕方に会うんなら、もう話を止めたらいいのに‥。)

私は近くで聞かされていたのだが段々呆れてきた。まだ朝の7時30分にもなっていない時間帯である。この上司Aは、あらゆる面で思慮が足りない。上からの指示に対して瞬発力はあるが、浅い考えと勢いで行動するだけで、いつも一方通行だ。

しかし、こんなに電話で沢山話した上で、同じ日に直に会うっていうのは、Sさんに取っては結構なストレスになる。会社に行けなくなって休み始めた人が職場の人と会うのは苦痛でしかない。私はそっちの方が気になった。

Sさんの一週間での復帰は叶わなかったので、上司A側としても事態を重く見始めた、というのならいいのだが‥。

間もなく、私、部下I、上司C、同期Dの所属する工場では、Sさんの休みはまだしばらく続きそうなことと、近いうちに総務部からこの工場に異動するという噂が流れ始めた。

役員Aや総務部の管理職は、休み始めたばかりのSさんの総務部復帰を早々に見限ったということになる。スピーディな会社の動きに私は驚いた。

 

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