うつ病物語 その41「診察後の面談」

上司Aとの面談

診察の翌日、上司と役員それぞれに、報告を兼ねた面談を行った。先ずは上司Aと面談。

私「昨日の診察では、やっぱり医者に怒られました。悪化しても自己責任だと…。」

上司A「ああ、医者の立場ではそうなるよ。自宅療養という医師の指示とは違う、短時間出勤のスタートは荒療治だったかも知れないが、復職タイミングは、いつかは自分で決めなくてはならないことだ。」

私「そうですね。復帰後の体調は日によってバラつきますが、基本的には良かったと思っています。」

上司「転院するのもいいと思うよ。今まで通っていたクリニックはカウンセリングが少なすぎると思う。後は、得意な方面の仕事からやり切っていって調子を上げていってほしい。」

医者に呆れられたことは自分としてはちょっと引っ掛かっていたが、上司Aの言うことも一理あると思ったし、長々と休んだからと言って、職場環境や人間関係が変わる訳でもなく、あまり意味の無いことのように考えていた。休養がうつ病の回復に必要なことはよく分かったのだが、どこまで休んで自身の感覚がどこまで達すれば良いのかが分からなかった。

 

役員Aとの面談

続いて、役員Aとの面談に入った。

役員A「どうだ?復帰後の調子は。」

私「日によって浮き沈みがありますが、少しずつ調子は上がってきていると思います。」

役員A「そうか、あのまま長期で休んでいたら、今まで自分が何のために頑張ってきたのか分からなくなって、余計に落ち込んでいくと思って、短時間での出勤を促したんだ。」

私「はい」

役員A「今回、仕事が原因で病気になったが、それを元に戻していくのもまた仕事だ。そうじゃなければ本当の回復になんてならない。」

私「そうですね。そうかも知れません。」

役員A「〇〇の休職が、年度末決算の時じゃなくて良かった。今まで〇〇だけしか出来なかった仕事は、相互補完が出来るようにマニュアル化して、課員に引き渡してもらいたい。」

私「はい。中々難しい面もありますが、出来るだけ進めていきます。」

私の抱えている仕事は、経験則と専門性が高くなってしまったので、非常にマニュアル化しにくく、ポンと誰かに投げるような訳にはいかないのだが、役員Aの趣旨はよく分かる。無理でもそうしていかなければ組織は回っていかないし、私も停滞する。

役員A「〇〇のことは嫌いでも何でもない。強く当たって今回の病気に繋がったが、全部正面から受けて深刻にならないように。〇〇には、もうあのような言い方はしないが、所詮は仕事のことだと割り切るように。」

この言葉で面談は終了。直接、私にはパワハラ言動をしないが、他には今まで通りにするという意味に聞こえ、呆れてしまった。今日の面談は、かなり私に歩み寄った内容ではあるが、この役員Aの場合は、旧時代的な精神論が根底にあり、表と裏は違うのである。

それでも、しばらくの間は大人しくしてくれるだろう、と私は当面の先行きに安心感を持った。事実、そのように流れたこともあり、浮き沈みの沈んでいる期間は短く、好調期が長くなるようになってきた。今度こそ、上手く回復基調に乗ったかな?と実感するようになった。

 

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