うつ病物語 その188「元職場でうつ病者がまた発生?」
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新たな『うつ病』疾患者の発生???

職場復帰した先でちょうど丸3年という時、私は別部署に異動することになった。

今の職場は、休職明けでしかも畑違いの私を温かく受け入れてくれた職場であり、周囲には恩人ばかりだった。正直、異動したくはなかったが、組織人である以上、人事異動は不本意であっても受け入れなくてはいけない。

そんな異動を一か月後に控えていたある朝、私のことを「〇〇兄」と呼ぶ親しい部下が真面目な顔つきで近づいてきた。

部下「〇〇兄、Sさんがさ、今週会社に来てないって知ってた?」

私「え?そうなの?先週からウチに応援にきて、しばらくコッチで仕事するんじゃなかったっけ?」

部下「そうなんだけど、月曜日から会社に来てないって。」

今日は水曜日である。

「…理由は何なのか連絡きてんの?」

部下「いや、しばらく休むってことだけみたいだわ。ていうか、昨日と一昨日は休みの連絡も来てなかったとか何とか…。」

Sさんは年上だが私と入社時期が同じで、新人だった私の面倒を見てくれた先輩女子と社内結婚していたりと、自然と親しみを感じる相手だった。

30年以上も勤めてきたような超ベテラン管理職が、週初めから理由をハッキリさせずに会社を休むのは普通ではない。私と部下は、休んでいる理由は『うつ病』に代表される精神的なものではないかと考えざるを得なかった。

私の元職場に異動して2年だったSさん

私が抜けた後の総務部は、上司Aと上司Bに新人+若手という構成でメンバーが弱いため、異動等の増員でカバーしていたが、約2年前、別部署の工場長だったSさんも次長として総務部に異動しており、半年前からは部長に昇格していた。

総務部には、私がうつ病を発症した最大の原因である役員Aが、引き続き管掌役員として関わっている。また、役員Aは、Sさんが工場長を務めていた工場の管掌役員でもあった。

役員Aは、有能な部分が確かにあるものの、その横暴な人間性は周知の事実であり、私の一件など気にした風もなくNo.2として君臨し、Sさんが工場長だった工場は勿論、その他の全部署から警戒される存在であることに変わりは無かった。

Sさんが急に会社に来なくなったがその原因は不明、というニュースは社内に直ぐ広まったが、案の定、大半の者が「これはきっと心の病気だろう」と考え、そしてその主原因は役員Aにあるだろうと予想した。

Sさんの工場長時代、非常に厳しい事業環境の中で役員Aを筆頭とする経営陣からプレッシャーを掛け続けられていたのを私は見ていたし、今、総務部にいる者からは、役員Aは何かある度にS部長を呼び出して個室に入り何時間も出て来ないことが多かったとか、新入社員も同席する週間ミーティングの中で「総務部でマトモに仕事をしているのは一人だけだ」等と皮肉を言っていたことを聞いた。

私の中に、これはこのまま傍観者でいる訳にはいかない、という強い気持ちが沸き起こった。

 

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