うつ病物語 その187「精神科の診察時間ってこんなに短いの?」
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精神科や心療内科の診察時間

精神科や心療内科に通い始める前で、こちらの方面について何も知らなかった頃、私は漠然と「精神科や心療内科は診察時間が凄く長い」と思っていた。

そして心身の調子が悪くなり、診察してもらおうと勇気を出して問い合わせ電話をした時、個人クリニックからは「患者数が多くて今は新患を受け付けていない」、総合病院からは「新患は3ヶ月待ちです」という返答を受けた。

私は、これは精神疾患の患者が増えていることが一番の理由だろうけど、きっと一人にかかる診察時間も長いから捌き切れないんだろう、患者側からすると待たされるのは辛いけど、これは仕方が無いか‥と考えた。この時の私の想像では、診察する度に精神科や心療内科の医師からカウンセリング的なものを施されると思っていたのだ。

実際、初診の時は、個人クリニックでも総合病院でも、現在の家族構成から学歴に職歴、いじめを有無など広範囲に聞き取りされてからの近況説明なので60分~90分くらいの時間が掛かっていた。

2回目以降は近況と変化を伝えることが中心になるので話は短くなるし、実は想像していたようなカウンセリングは医師から行われないことも分かったが、それでも30分くらいは掛かっていた。

診察室から3分で出てくる患者達

最初はビビっていた精神科や心療内科にも、通い続けている内に慣れてきて、段々と他の患者のことをボンヤリと観察することができるようになった。すると‥・「あれっ?」と思う場面を頻繁に目にするようになった。

「〇〇番の方、2番診察室へどうぞ」

というアナウンスで診察室に入ったかと思うと、2~3分でサッと出てくる患者が思いのほか多いのだ。

…なんでもう終わりなんだろう?

私にはその理由が分からなかった。あんな風にパパッと終わる診察を想像できず、「うつ病」ではない違う精神疾患か、うつ病の振りをしている嘘つきなんじゃないかと考えた。

しかし…

寛解を迎えた後の診察は2分で終わる

私は元の職場から離れた別部署で復帰して2年9ヶ月が経過(2021年3月時点)。それまでの間、調子が悪くなることはなく幸いにも順調で、通院間隔が3ヶ月毎になってもう2年くらいになる。

そうなると診察といっても経過観察で、ここしばらくは薬をどうするかの課題が残っているだけで、他に話題は無かった。私から特に話すこともないし、医師も取り立てて説明することもない。

話す内容は、これまで通りの最低分量の薬を3ヶ月分出すことと、次の診察日をいつにすることだけだ。診察は本当に2分で終わる。これが精神疾患ではない病気の場合は、血液検査とかMRI画像結果等の物的な検査と結果があるので、こんな風に一瞬では終わらない。

もうここまで来ると、半ば強引に投薬終了に向けて動いても医師は患者の意志を尊重するだろう。そうなると、通院することも無くなる。

しかし私は、やっぱりそこまではしなくていいかな、という思いが今の段階ではある。それは、3ヶ月毎の数分で終わる診察が、うつ病で苦しんだ経験を今に繋ぐ最後の一本だと思うからだ。

もう実効果は無いかもしれないが、しばらくは診察を受けようと思う。自分が精神を病んだ病人であったことを忘れないために…。

 

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