うつ病物語 その19「業務を抱えるしかない」

うつ病物語

管理の落ち度

実は彼の場合は、前々から退職を匂わすことはあったが、今回は本気のようだった。理由を聞くと、彼はこう答えた。

「先月の時間外労働が多すぎると役員からクレームがつきました。昨年もそうでしたが、繁忙期で別部署への早出応援もある時期で、時間外労働が増えるのは承知しているはずなのに、なぜ所属長と事前に調整しないのかと叱責されました」

ガツンと来た。自身の病気で右往左往しているせいで、課員の管理やケアがおざなりになっていたのだ。彼はどちらかというと不満分子の要素を持つ人物だったが、職務能力は高く、責任感も強くて頼りになる部下であった。先日の女性課員の退職とは違う、私が管理職として、それらしい役割を全うするには、右腕として不可欠と考えていた部下の退職申し出だった。

私が課長代理の頃から、将来のことを考えて経理やシステム管理を覚えさせていた彼の退職は、色々な意味で影響が大きく、退職となれば、全ての青写真を描きなおさなければならない。私はショックを隠せず、頭がクラクラしてきた。

自分の先行きは暗く

叱られたからと早急に退職を決めず、数日間、ゆっくり考えるよう促してその場は収め、上司2人にこのことを報告する。2人とも驚いていたが、と同時に退職回避が難しいことも分かっていた。

課員6名は全員20歳台であったが、退職する2人はその中ではベテランの経理マンであり、誰にどう引き継ぐのか、補充はどうするのか、という問題もあるが、どう考えても、私が実務の多くを抱えなければならないという現実に行きつくのだった。

 

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