うつ病物語 その137「ついに減薬に!」

「会社を休む」ということ

新しい職場で復帰して4ヶ月あまりが経ち、会社に行きながらの月に一度の診察も4回目となった。工場は繁忙期真っ盛りのため、新参者の私としては、半日休暇を申請するのは忍びないのだが、薬も処方して貰わなくてはいけないし、そんなことは言っていられない。

幸い、職場の皆も、そして工場長も、各自の有給申請については寛大というか、ブツブツ文句を言うような雰囲気はなく、直ぐに、残ったメンバーでどうやり繰りするかという話になるため、申請側としては気楽な職場だった。相互補完がかなり出来上がっているのである。

前職場では、あまりにも私の業務が専門的になってしまったため、相互補完がなかなか進められなかった上、退職者が続いてしまい、身動きが取れない状態に陥ってしまっていた。

そういった状況が”うつ病発症”の背景であったが、実際のところ、うつ病を発症した前職場と、5ヶ月の休職から復帰した今の職場では、休むことの意味合いが大きく違っていた。

現職場である工場の場合、私が休むことによって欠けた穴は、必ず誰かがカバーしなければならない。そうしなければ操業が円滑に流れないからである。よって、休むことは労役からの完全免除であり、休み明けの日は単に新しい1日というだけで、基本的に昨日の仕事が溜まっているわけではない。

しかし、総務や経理といった管理業務中心だった前職場の場合は、私が相当のベテランだったために業務が専門的になっていた反面、一刻を争うような案件はそうそう無いため、しばらく放置しておくことも可能だった。しかしながら、そのせいで、休んでいる間に誰かが代わりにやってくれることはマズ無く、自分が休んだ分の仕事は、そのままそっくり残っていた。

これは、かなり極端に表現した場合ではあるが、会社を休んだ時に、どちらが、本当の意味で”仕事を休む”ことになるのかは言わずもがなだと思う。

ついに減薬に…!

前回の診察からは、5週間が経過していた。いつもはキッカリと1ヶ月間隔なのだが、担当医師が出張のため1週延びたのだ。

「順調に経過していれば、次は薬を減らしましょうか」という話が前回の診察で出ていたので、今日は期待大の診察であった。

医師「…はい、〇〇さん、えーっと、どんな感じでしたか?」

私「ハイ、とても順調でした。特に何も無かったです。」

医師「そうですか。夜はよく眠れていますか?」

私「はい、問題ないですね。」

医師「…えーっと、今はフルタイムで、あ、残業もされているんでしたっけ?」

私「ええ、早出も残業も両方です。」

医師は、ウンウンと少し頷いたような表情を私に向けた。

医師「いい経過ですね。…では、今後はレメロンは止めて、イフェクサー1本にしていきましょう。ただ、レメロンには眠気の効果がありますので、止めると、少し眠りの方に影響があるかもしれません。もし、それで困るようであれば、今度は睡眠薬の方で考えていきますので、様子を見ていって下さい。」

私の病状は、明らかに快方に向かっていた。病院からの帰り道、じわじわと嬉しさがこみ上げてくるのを感じた。

 

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