うつ病物語 その22「状況は悪化の一途」

叱責される毎日

新年度に入り、私は管理職になって2年目となった。役員Aからの圧力は更に厳しくなっていた。最近は、毎日のように1時間から2時間に渡って、仕事の進め方について叱責を受けていた。

しかし、いくら怒られても、何が失敗だったかは何とか分かるのだが、次にどうすれば怒られないのか、具体的な対処方が見出せないでいた。(これもうつ症状のひとつだったと思う)

私が同じような失敗を繰り返し、役員Aが期待する動きを取れないため、いつも同じ話になり、正直うんざりしてしまっていたのだが、黙って聞いていると「お前はただ返事をしているだけで、分からないことを聞いてこないから、俺からの一方的な話になっている。今どういう状況なのか話してみろ」というので、現状を話し始めると「言い訳するな」「お前の考え方はおかしい」と全て遮られてしまい、話したいことの3割も伝えることは出来なかった。

そして「いいか、自分は病気なのだと病気に甘えるなよ。病気を治すのは自分の意志なんだからな」という言葉で締めくくられるのが最近のパターンだった。

この言葉は、病気になった自分を否定されたようで、ことさら深くえぐられた気持ちだった。こうした長時間に渡る叱責の後は、まともに仕事をすることが出来ず、2~3時間経ってようやく気持ちの整理がついてきて、少しずつ取り掛かるという感じだった(結果、残業や休日出勤が増えていった)。

最悪の職場慰労会

またこの頃、業務の区切りがついたことで職場の慰労会が企画された。言い出したのは役員Aで、その心配りはありがたいのだが、GW直前の日程を一方的に抑えての強制参加のような進め方で、課員一同は、その強引な展開に内心面白くなく、私達はその調整に苦心した。

慰労会の席上でも、酒が入って独演会の様相を呈してからは、妻帯者である私ともう一人の課員の月の小遣い額をネタに、「夫に投資しないのは何も分かっていないダメ妻、離婚した方がいい」「こんな貧乏人が出世するわけがない」などと、とんでもない話題で場を凍り付かせ、後日、課員達からは最低の慰労会だったと文句を聞かされた。

役員Aは、職務上では先見性があって行動力も伴う能力の高い人物だと思うが、非常に独善的で、私をはじめとする他者に対して洗脳的な言動が前面に出るタイプだった。

私は、日々、役員Aに侵食されるような恐怖感に苛まれながら過ごし、心身は悪化していった。

 

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