ポスト中山美穂だったアイドル

藤井一子は、1985年のドラマ「毎度おさわがせします」のオーデションが切っ掛けで芸能界入りし、同ドラマのセカンドシリーズにて、既にブレイク中だった主演、中山美穂の友達役という、実に手堅いポジションを押さえてデビュー。

翌1986年には、自身初主演ドラマ「夏・体験物語」の主題歌として、この「チェック・ポイント」をリリース。当時としても、ちょっと古風な作りの、ややツンツン女子系の歌謡曲だったが、新人アイドルのデビュー曲としてなかなかのヒットを飛ばした。

私はこのドラマを見ていなかったし、元々アイドル全般にはサラッとした付き合い方をしていたので詳しくないのだが、藤井一子に関しては、この曲が気に入ったこともあって、それなりに関心を向けていた。

1980年代後期の一時、藤井一子は、私のようなアイドル感度の低い男子にも引っかかるほどの、ちょっとした存在感を魅せたアイドルだった。決して長い期間では無かったが、クラスの男子連中も、藤井一子に着目していた時期がハッキリとあった。

歌声はスッキリとして下手ではなく、ビジュアル面もクールビューティな感じで、アイドルとして大成する可能性も感じさせた藤井一子だったが、小泉今日子や斉藤由貴、また南野陽子など、強力なライバル達を押しのけるような個性は無く、あっという間に埋没してしまい、1990年代に入る頃には、ひっそりと引退してしまったようだ。

汎用性が高い「チェック・ポイント」という曲

ある季節や特定のシチュエーションに対して、色んな番組で使われる曲というものがある。山下達郎の「クリスマスイブ」とか、国生さゆりの「バレンタイン・キッス」とか、広瀬香美の「ロマンスの神様」などが代表的なものだが、いちアイドルのデビューシングルなんて余程の名曲でなければ、あっという間に忘れ去られていくなかで、この「チェック・ポイント」はかなり頑張った。

作詞:来生えつこ、作曲:筒美京平、編曲:新川博という、当時の一流布陣による新人アイドルのプロデュースなので、凡作になるわけもないのだが、この曲に関しては、特に作詞が良い仕事をしたのだと思う。

「チェック・ポイント」のなかで連呼される「チェック」という言葉は、今でこそ学業や仕事で頻繁に出てくるワードだが、当時は、そんなに使われる単語では無かった。

現代では、何でもかんでも「チェック」「Wチェック」「最終チェック」であり、全く頭が痛くなるばかりなのだが、この曲では、藤井一子のどこか純真さのある歌声のせいか、「チェ、チェ、チェチェック・ポイン!」と連打されても、全く嫌気を感じないところか、むしろ心地がいい。

そして細かい話だが、間奏中の「チェッポイン、チェッポイン、チェッポイン、チェチェチェポイン」と歌うところに後ろで入るキーボードの音が秀逸で絶品。

このキーボードのせいではないが、「チェック・ポイント」は、社会人が嫌悪する「チェック」という単語を連呼しながらも、少女の恋愛模様を能天気さを漂わせながら歌った曲であり、テレビのバラエティで使いやすかったのだと思う。万人に認められるような名曲ではないが、れっきとした佳曲であり、私の記憶のなかにはしっかり刻まれた思い出の曲であった。

 

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