うつ病物語 その90「上司との有意義なやり取り」

新天地へのイメージ

勿論、今までの職歴が通用しない新しい部署への異動は、苦労を伴うだろう。なんで総務が工場に?と白い目で見る者もいるかもしれない。しかし、下働きでも何でも、真摯に取り組んでいけば、信頼を勝ち得ることが出来るんじゃないか?

そうなれば、〇〇工場の数字に強い管理職として一人前になれるかもしれない。何となくだが、そこまでをざっとイメージすることが出来た。このイメージ出来るか出来ないかという違いは非常に大きい。人間は、自分でイメージ出来るものにしかなれないからだ。

上司A「お前なら、工場にいる準職員や工員達とも上手くやれるだろう。結構、好かれるかもしれない。何といっても人間関係が大事だからな。そして色々覚えて、工場長をサポート出来るようになって、何か実績を残せれば、と思ったんだ。…総務に戻ると、どうしても役員Aとの関係が不可欠、あの人もあのままだし、〇〇も傷跡が残っている、やっぱり無理だろうと考えたんだ。」

上司Aはコーヒーに口をつけ、更に続ける。

上司A「会社人生において、お前は同期に差を付けられてしまったが、皆、それぞれいい時・悪い時と色んな時期がある。今からいくらでも取り返せるんだから、〇〇工場で頑張ってくれよ。」

私「はい、今回、どん底まで落ちましたから、あとは浮かぶだけだと思っています。」

私の病気発症の背景は

上司A「…あと、今日聞きたかったのは、お前の病気な、振り返ると具体的にいつの時点から始まっているんだ?」

私は少し考えて、こう言った。

私「4年前、上司Bと入れ替わりで◇◇君が異動してしまった時からですね。システム系や経理の実務、またその他雑務を任せていた◇◇君が居なくなったことで、私のところに業務が戻り、まだ若い連中に引き渡すことになって苦労し、何とか形になってきたところでその2名が退職…。」

上司A「うん」

私「その間は、不慣れな上司Bのフォローもありましたけど、管理職になってからは役員Aのパワハラで追い込まれ…。こんな感じで、じわじわと逃げ場が無くなっていきました。」

実際には、その他に上司Aからの「俺はもう退職が近いんだからお前が覚えなきゃいけない」というプレッシャーもあったが、本人には言いにくいので止めておいた。

上司A「そうか…、そんなに前からか…。」

私「そうですね、引き渡したはずの仕事がまた戻ってくるというのが2回あった上に、別の仕事、管理職としての仕事もどんと増えたので、しんどかったですね。で、上手く行っていないところで、役員Aのパワハラでトドメを刺されたと。」

上司A「…。」

やはり、この病気は発症に至るまでに長期間を要している。私の場合は、発症までに2年、発症して2年の計4年といったところである。休職して回復するのにも時間がかかるというものだ。

 

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