うつ病物語 その36「復職前日の診察」

うつ病物語

復職前日の診察へ

復職を明日に控えての診察、私は気が重かった。2週間前の診察で医師から「復職に向けて何かを考える時期ではない、とにかく何もせずに休むこと。復帰を焦ると再発する。」とキツく言われており、診断書の自宅療養期間は一か月近く先まで指示されていたからだ。

それなのに明日から復帰するなどと言ったら、医師は面白くないに決まっているし、下手をすると怒られるかもしれない。とは言っても、この1週間は非常に調子が良く、気持ちも軽くなっていた。

それにズルズルと休職して変に休み癖が付くのは嫌だったし、職場には恐らくそのままになっているであろう案件も多数あるはずである。復職するなら早い方が良い、上司Aが言うように、復帰タイミングを決めるのは医師じゃなくて自分だ、そう思い直し、気持ちを奮い起こしてクリニックへ向かった。

医師の厳しい言葉

先ず、この1週間の調子の良さを報告した。そして、明日から短時間勤務で職場復帰しようと思っていることを告げると、医師の表情が変わった。

医師「〇〇さん、たった1週間調子が良くなっているだけで復職しようと思っているのは、やはりこの病気を甘く見ている証拠ですね。」

私「え、いえ、そういうつもりではないんですが、職場の方も随分と困っているようで…。」

医師「前回6月13日の診察時に、7月13日までの自宅療養の診断書を出していますが、私は再延長も考えていたくらいです。〇〇さん本人の認識が甘く浅いことが職場に伝わり、復帰促しになっているということは無いんですか?再発した時に会社は責任を取れるんですか?」

ガツンと来た。ちょくちょく上司Aや上司Bから仕事の問い合わせ電話は来ていたが、そういう時は自然と無理をして元気に振舞っていたのかもしれない。

医師「本来は、会社から仕事の問い合わせ電話が行くことも避けるべきです。この病気は、職場と距離を置く期間を相当取らないと治りません。多少、回復したところで復帰すると再発します。今は、ドクターストップが掛かっていることを深く認識しなければダメです。」

医師の理屈ではあるが、完全に言う通りであった。私は何も言えなかった。

医師「眠気が出るのは身体のサインであり、その必要があるからそういう薬を出してもいる。まだまだ休んで気力を蓄えなくてはいけません。活動的になってきても、気力を使い切らないよう注意をして下さい。会社の言うことではなく、24時間一緒にいる妻の判断を重視すべきです。」

この病気は自己判断に委ねられる場面が多い。繋がった骨がレントゲンで確認できたり、投薬によって適正値に下がったことが血液検査で分かったり、そういうことは一切ない。医師ですらも、その回復度合いは正確には掴めない。私は、何か間違っているのだろうか?

医師「〇〇さん、再発して苦しむのは自分自身です。そしてそれは家族や職場にも影響します。よく考えるようにして下さい。」

ここまで言われてしまい、私はどうすればいいのか分からなくなってしまった。

 

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