1986年リリース、吉沢秋絵の2枚目のシングル。

今、吉沢秋絵と言われてもピンと来ない方が大半だと思うが、1980年代中期に大旋風を巻き起こした「おニャン子クラブ」の会員番号25番、南野陽子主演の「スケバン刑事Ⅱ」にも出演していたアイドルである。

現在は御年49歳ということで、年月の流れの速さに気を失いそうになるが、このスケバン刑事が流行っていた中学生の時、私は一時ではあるがこの吉沢秋絵のファンということにされてしまっていた。

おニャン子クラブは、グループの中から主だったメンバーが順番にソロデビューを飾っていき、私の友人達は「俺は国生さゆりだ」「いやいや福永だ」「やっぱり河合その子でしょ」等と、お抱えのお気に入りが乱立していったが、一人その流れに乗らず、しれっとしていた私に、半ば余っていた吉沢秋絵をあてがわれてしまったのだ。

人間とは不思議なもので、そんな経緯であっても多少は興味を持ち始め、自分押しのおニャン子をアピールするアホな罵りあいの場にそれなりに参加して楽しんでいた。おニャン子は素人集団ゆえに総じて歌唱力に問題があったが、そこは敏腕プロデューサーのテクニックによって、様々な歌がそれぞれに味があって面白かった。この曲は、スケバン刑事Ⅱの挿入歌として使用されたが、少し寂しげな曲調が私の好みで、インチキなファンとしては至極満足だった。

さて、この記事を書いていて思い出したのだが、おニャン子クラブには普通のシングルの他に、「会員番号の歌」というのがあった。ちょっと調べてみると、なんとここで紹介している吉沢秋絵のシングル「季節外れの恋」のB面であり驚いてしまった。これは、二十数人のおニャン子が1フレーズずつ交代に自己紹介していくもので、およそ曲とは言えないような、ファンしか喜ばない代物ではあるが、それだけにファンの記憶に残るものであった。

例の菊池桃子ファンの友人(※思い出の曲 7曲目を参照)は、会員番号4の倍数を広くカバー(4番:新田恵利、8番:国生さゆり、12番:河合その子、16番:高井麻巳子)しており、その無節操さに仲間内からも呆れられていたが、私のように無関心というか、むしろアンチだった者まで巻き込んでしまうのだから、ブームというものは本当に恐ろしい。この友人はおそらく今でも、会員番号を余裕で順番に言えるはずである。

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