うつ病物語 その159「職場での孤独感は”うつ病”を引き寄せる」

職場での孤独感は”うつ病”を引き寄せる

上司も部下もいるのに、職場で孤独を感じることが長く続く状態は、うつ病を発症する大きな要因になると思う。中間管理職になることが多い40歳代に、最もうつ病罹患者が多いのは、私のような状況が多々見られるからなのではないだろうか?

上(経営層)から発信された指示(現場の最新状況を認知していないので無理難題が多い)は、先ず部長職に降ろされるが、この部長が優秀な場合は、そこで役員の指示内容や納期などが、ある程度調整されて現実レベルになるので、その下の課長、その部下達が、途方に暮れたり極端に頭を抱えることはない。

…が、その部長が、役員のイエスマンだったり、課長以下が担当している業務に疎かったり、そもそも人間性や考え方に欠陥がある場合は、無理難題のまま課長以下に降ろすだけになる。

そうなると、現場の最前線を仕切る課長は大変だ。役員から言われた通りのリターンを返したい部長と、最初に無理難題を下した役員、この上位2階層と、自分の部下達の能力と現状を見定めつつ、課長は上と下の調整に苦心しなければならない。

しかも、調整だけならまだいいが、今の時代、課長職の殆どはプレイングマネージャーだ。部下を世話したり育てたりしつつ、自らも最前線で業務をこなさなければならない。

そういう時に、頼りになる課長代理とか、まあ役職はどうでもいいが、とにかく能力のある部下がいれば、課長はこうした局面を乗り越えることができ、「皆、お疲れさん!」という言葉を掛けて課員を労うことも出来る。

しかし、誰も居なかったら、もう、自分一人でやるしかない。夜遅くまで残って、休日も出社してこなそうとする。しかし、そもそも無理があるので、仕上がりも大したものにはなり得ない。結果、叱責を受ける。部長は、まあ怒らないにしても、「次はしっかりやれよ。」的な尻叩きがせいぜいだ。

思い返せば私は、課長になる前の課長代理時代から、じわじわとこういう状態に入り込んでいた。こういった経緯や状況を、役員Aや上司Aは理解できず、またしようともせず、パワハラを交えた叱責や、安易な「頑張れ」「次の世代はお前なんだ」といった尻叩きを何年にも渡って続けた。

…結果、私は壊れてしまった。

うつ病を克服できる職場とは

異動先である今の職場は、勿論、全てにバランスが取れているわけではない。どう見ても、C工場長は業務量が多いし、優秀な主要メンバーには負荷が掛かっている。

…でも、相互補完や協力はギリギリ合格のレベルで維持出来ている。誰かが一人で、とか、〇〇が一人で背負う、というような末期的症状ではない。

そして一番響くのは、苦しみや問題を複数のメンバーで共有出来ることだ。如何にその問題が深刻だったとしても、一人で抱えるのとでは雲泥の差がある。

単にうつ病発症時とは違う新しい職場というだけではなく、こういう職場で回復を図らないと、うつ病の本当の克服は不可能だと、私は心から思う。

 

うつ病物語 その158へ     うつ病物語 その160へ     うつ病物語 その1へ

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事