思い出の曲 63曲目 ザ・ドリフターズ「ドリフの早口言葉」

思い出の曲

ザ・ドリフターズ!

後には俳優としていぶし銀の味わいを見せた「いかりや長介」をリーダーにした、70年代から80年代中期までを代表する5人組…、さて、何と言おう?2019年風に言うと「お笑い芸人」ということになるんだろうが、その当時にはそうした言葉は無かったし、ミュージシャンでもある彼らにはどうも馴染まない。

「ザ・ドリフターズ」と言えば、当時の幅広い世代をカバーした超絶人気のタレントであり、ちょっと大げさに言うとアイドル的な求心力も持ったような強力なグループだ。私的には、当時随一の存在感を誇った「沢田研二」や「キャンディーズ」に引けを取らない「TVスター」という表現が一番しっくりくる。

私は、小学校低学年の頃からずっとドリフターズが大好きで、「8時だヨ!全員集合!」は勿論、「ドリフ大爆笑80’」といった番組は欠かさず見ていた。両親(特に父親)や弟も好きだったので、ドリフを家族4人で笑いながら見る一時は、子供心に幸せな気持ちを感じたものだ。

ドリフターズは冒頭に書いた通り5人組で、荒井注脱退後に正メンバーとなってブレイクした「志村けん」がダントツ人気、やや離れた次点に「加藤茶」、少し置いて「いかりや長介」、更に距離を置いて「仲本工事」、ドン尻が「高木ブー」という位置付けではあったが、非常に上手くキャラ分けされており、その大がかりなセットを舞台に練りこまれたコントは何回見ても観客の期待を裏切らない。やはり5人揃ってのグループだった。

名物コーナーのひとつ「少年少女合唱団」

ドリフは、特に基本ライブである「8時だヨ!全員集合!」が面白かったのだが、その名物コーナーのひとつに、「少年少女合唱団」というのがあった。

私だけではなく、殆どのドリフファンは、大がかりな前半のコントと後半の玄人好みのコントを楽しみにしており、番組の中盤を繋ぐ「少年少女合唱団」は、司会のいかりや長介が当時のゲストアイドルに絡む、他のコーナーには無い独特の緩い雰囲気で、ファンでも流し見するようなポジションだったが、そこはやはりドリフ。「東村山音頭」を筆頭に、志村けんの名物ギャグがいくつも生まれたコーナーでもあった。

「ドリフの早口言葉」

1980年12月21日リリース、ドリフターズ13枚目のシングル。前述の通り、「8時だヨ!全員集合!」のコーナー「少年少女合唱団」で披露された、いかりや以外4名のドリフメンバーの早口言葉で、「生麦生米生卵…」から始まって、最後はエースの「志村けん」が、甲高く加工された声色でスカッと締める。

このレコードも、「宇宙戦艦ヤマト」と同じく、どんな理由かは覚えていないが両親に買ってもらったものだ。当時の私は9歳で、テレビの面白い人達が歌う早口言葉のレコードなんて正にドンピシャで、凄く嬉しかった記憶が残っている。

…しかし、「ドリフの早口言葉」は、興奮して聴いたのも数日で、直ぐに飽きてしまった。当時の私には、それが凄く勿体ないことのように思われ、頑張って?再びレコードをかけるのだが、やはり飽きが先行してしまい、直ぐにしょんぼりしてしまう。そう、あんなに笑って楽しんでいたドリフの早口言葉なのに、レコードを掛けて家で聴くと大して面白くないのだ。

あの面白さは、やはり映像(動きや突っ込みの間)を伴っているからであって、ただ歌を聴いても楽しくないのだということは、9歳の自分には理解出来なかった。

この記事を書くにあたり40年近く振りに聴いてみたが、懐かしさが喚起される一方で、唯一、仲本工事が独特の名調子でいい味を出してることに気付いた他は、やはり大して面白く無かった。

そういう意味で、「ドリフの早口言葉」は、凄く残念なレコードだったが、だからと言って彼らの偉大な功績が色褪せることはなく、後世に語り継がれる伝説のグループには間違いない。

「8時だヨ!全員集合!」と「オレ達ひょうきん族」

絶大な人気を誇ったドリフターズも80年代後半には下降、裏番組の「オレ達ひょうきん族」が次の時代を担ったが、私には、あの悪ノリ楽屋落ちのグダグダ具合がどうしても性に合わず、密かにドリフを応援し続けていた。

その、ひょうきん族のメインだったビートたけしは、「8時だヨ!全員集合!」を、「今見ても面白い」「それは完璧に計算して稽古して作り上げたものだからだ」と高く評価する一方で、「ひょうきん族」については、「今見たら古臭くて笑えるもんじゃない」「あの笑いは芸とは別のもの」と述べているとのこと。

やはり、いつの時代でもどんな世代にでも通じる笑いの神髄、普遍的な笑いを体現したのは「ドリフ」だったと私は思っている。そんな彼らが歌った早口言葉、特に当時を知る人はご一聴のほど!

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