うつ病物語 その16「やっぱりうつ病だった」

うつ病物語

心療内科の医師と初対面

5分程で診察室に呼ばれ、少し緊張しながら医師に向き合った。30歳台後半くらいの年齢だと思われる女医だった。出生地から始まって両親の年齢や兄弟の有無、学歴や職歴、結婚歴など広範囲に聞き取りがあり、ここが普通の内科や眼科とは違うところだなと思いながら、順に答えていった。医師は、聞き取りをしながらパソコンに内容を入力しているようだった。

病名は「うつ病」

そして近況の説明に移るにつれ、私の緊張感は増した。私は、前日にノートでまとめておいた内容を、早口になるのを抑えながら小さな声で説明していった。医師は全く表情を変えず、こちら側からすると冷淡なようにも思えた。私の説明を聞き終えると、医師はこう言った。

医師「…そうですか。その状態ですと、うつ病だと考えられます。」

私は少し驚いたと同時に納得した。

私「うつ病ですか?」

医師「そうです。」

私「…あ、その、程度としてはどのくらいの?」

自分としては、うつ病だとしたら初期なのか中期なのか知りたかったし、この苦しさを客観的な尺度で説明して貰いたかった。

医師「〇〇さん、この病気は、人それぞれ千差万別ですので、どの程度という整理は重要ではありません。」

私「はあ、そうなんですか…。」

私が半信半疑で見ると、医師は語気を強めた。

医師「うつ病の治療は、ゆっくり休むこと、そして投薬で気持ちを引き上げていくことです。」

私「投薬…、薬ですか?」

医師「そうです。様々な薬がありますが、その効果の具合と経過を見ながら、増減したり組み合わせを変えたりして、短くても半年くらいの期間で続けていきます。」

最短で半年という説明に私は驚いた。

私「半年?…あ、あの、薬の他にはどうすればいいでしょうか?」

医師「そうですね。職場、日常生活において、なるべく負荷が掛からないように、休みをしっかり取るよう心掛けて下さい。」

ごもっともな指示であり、心底理解はするが、会社人にとっては一番難しいことだった。

”うつ病の専門家”である心療内科から処方された薬は、内科で出されたものと同じ「スルピリド錠50㎎」の他、睡眠導入剤の「ブロチゾラム錠0.25㎎」、また、精神を落ち着ける「リボトリール錠0.5㎎」だった。

心療内科というところ

こうして人生初の心療内科は、意外にあっけなく終わった。「なんだ、心療内科と言っても、やってくれることは内科と大きく違わないのか」と私は少し落胆した。

3週間以上飲んでいる内科で出された薬(スルピリド)があまり効いている実感が無かった私は、同じ薬をまた一か月飲むことに憂鬱になった。もっといい薬はないのか、と正直思った。

最後に医師に言われた「この病気は時間が掛かりますから」という言葉が脳裏に蘇る。

誰でもいいから、この重苦しい毎日から一刻も早く引き揚げて欲しかった。次回の診察は一か月後だった。

 

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