うつ病物語 その129「診察日の過ごし方」

うつ病物語

ウチの工場長代理

お盆休みを過ぎ、職場復帰して2回目の診察日を迎えた。盆休みを挟んだことで、前回の診察日からは一ヶ月以上が経過しており、少し久し振りの診察だ。

私の実質的な監督者である工場長代理には、午後から半休を貰うことを伝えてあったが、そんな日に限って工場は忙しく、区切りのいいところまで仕事をすると12時30分を過ぎそうだった。う~ん、困ったな…と思っていると、工場長代理が近づいてきた。

代理「課長、今日は半休ですよね?」

私「ええ、そうなんです。」

代理「ちょっとバタついてますけど、これが終わったら上がっていいですから。」

私「あ、そうですか、ありがとうございます。」

代理「なんなら、5分前に上がります?」

私「や、いや、助かります。時間がギリギリなもので。」

こんなやり取りを経て、私は12時の5分前に上がることが出来た。この工場長代理は私より5歳年上だが、役職的には私より下位になるため、向こうにとって私は、非常に扱いにくい相手であることに違いなかった。

しかし、仕事中は年上の先輩らしく、何も分からない私に対して細かいところまで指示をしてくれ、それ以外の場面では気を使ってくれた。落ち着きのないタイプなのが欠点だが、職場では兄貴的な存在で、厳しく、明るく、そして楽しくという雰囲気を作り出す貴重な人だ。

他の従業員からの工場長代理に対しての評判は、そりゃ色々あるようだが、私には、至極まともな人、というか、年長者ってこうだよな、というお手本に見えた。これは、今まで付き合わざるを得なかった役員Aや上司Aが、如何に異常な性質だったかを物語るものでもある。

診察日の過ごし方

診察日には、昼に会社を出て、近くのラーメン屋に入って「札幌味噌ラーメン」を食べるのを密かな楽しみとしていた。普段は社員食堂で済ましているので、美味しいラーメンにはありつけない。

そして、注文してラーメンを待つ間、この後すぐに会う医者に、どのようにポイントをまとめて説明するのかを考えるのである。

病状が低迷していた時は、会社を出た瞬間に僅かな解放感を得るものの、ラーメンを食べている時には、一向に良化しない心身の状態に暗い気持ちになり、医者に何と話せば良いのかを悩み、そして、たとえ上手に医者に話したところで、何も好転しない現実に失望するのである。

うつ病の真っただ中にいた私は、会社から、仕事から、職場の上司や部下から、全ての方面から逃げ出したいという悲鳴をあげながら、逃げることは許されないという責任感に、完全に圧し潰されていた。

 

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