うつ病物語 その110「そして新しい職場へ…」

拍子抜け

こっちは相当の覚悟で臨んだ復帰初日の役員面談だったが、チャンチャン♪と終了してしまった。これは、病み上がり扱いをされて気遣われているのか、もしくは、こんな半分死んでいるような社員のことなど、どうでもいいのかのどちらかであろう。

ま、ふたを開けてみればこんなもの。私はもう、今朝方の嫌な夢のことなど、すっかり忘れていた。少し、図太くなったのかもしれない。

上司A「じゃ、そろそろ移動するか。」

私「あ、ちょっと待って下さい。総務のメンバーに挨拶してきたいんですが…。」

上司A「ああ、いいよ。」

急いで階段を上がるが、すっかり太ってしまったせいでスーツのボタンがキツイ。うつ病の薬を飲むと太るというのは、処方された当時に調べた時に随分とネットに落ちていたが、どうやらこれは本当の話のようだ。

少なくとも私の場合、リフレックスとイフェクサーの併用で、5ヶ月休職している間に5㎏太ってしまった。うつ病になる前からとの比較では、7~8㎏の増加である…。

私の体重増加は別としても、元の総務課のメンバー(部下たち)は、崩れてしまった上役を温かく迎えてくれて、ジーンときた。

いざ、新職場へ

食品を製造する工場ということで作業衣は真っ白。太ったのを見越して大きめのサイズを伝えたが大丈夫だろうか…?久し振りのC工場に着いて入り口を跨ぐと、C工場長が待ち構えていてくれた。

C工場長「おう、お?何か太ったんじゃないか?」

私「実はそうなんですよ…、7~8㎏は太りましたかね。あ、あの、この度は長くお休みを頂きましたが、本日からこちらにお世話になることになりました。どうぞ宜しくお願い致します。」

私の若干たどたどしい挨拶に対し、C工場長は笑顔で返してくれた。気持ちは伝わっただろうか?なにしろ、私の会社人としての再起を図る地である。最初のイメージが肝心肝心…。

C工場長は私を工場内に案内して、男性従業員を中心に紹介して回ってくれた。中には、入社時の私のことを知っている数少ない再雇用組の人もチラホラいる。しかし、皆、笑顔で応対してくれていたが本当のところは分からない。

ど素人だが、肩書は”課長”という、非常に扱いにくい新人である。逆の立場なら「ま~あんなのは適当に相手して放っておけばいいんじゃないか。」くらいに思う対象…。しかも、うつ病という心の病気を患ったような人物である。

…いや、こうやって自分のことを書き出していて、段々とヒドイなと思ってきた。C工場の皆さん、本当に宜しくお願いします!!!

 

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