うつ病物語 その63「うつ病夫を持つ妻の不調」

 私はうつ病になりやすい性格…?

仕事から家に帰ってきた後は、私はあまり会社の話をしなかったが、うつ病になってからは、よりその傾向が強かった。また、同僚に愚痴をこぼすのもあまりせず、社外の友人と酒を飲んで憂さを晴らす、ということもしないタイプだった。

それに深い意味はなく、単に、思い出したくないだけだった。他人に話すには、どうしても勤務中の辛い思いの反芻と、自分の弱さに幻滅する気持ちに繋がり、自己嫌悪の感情で胸が一杯になってしまう。他人に愚痴をこぼすのは格好悪く、好きでは無いという性格もあったが、思い出したくないものにはフタをするのが私の性質のようで、うつ病が悪化してからは、それに現実逃避癖がプラスされた。

40数年間生きてきて、私は元来、楽天的でお気楽な性格だと思っていた。しかし、ここにきて、私は自分の性質分析を大幅に修正しなくてはならなかった。これまで自覚したことはなかったが、私のこの性質は、うつ病になりやすいタイプに合致するのかもしれない。

うつ病夫を持つ妻

愚痴をあまり言わない私ではあったが、それでも、唯一、妻にはたまに愚痴をこぼしていた。妻は何とか私を元気付けようと子供達の明るい話題をしてくれたり、黙って聞いてくれたり、私の話に共感してくれたりしていた。

しかし、知らず知らずのうちに、妻にストレスが溜まっていったのだろう。ふとした会話の流れから、妻は感情が爆発してひどく怒ったり、また泣き出したりすることが増えてしまった。私とは違うが、これも「うつ症状」のひとつといえるかも知れない。うつの配偶者を持つ者は、相方もうつになりやすいとはよく聞くが、我が家でもその兆候が出ていた。

一番良いのは、私のうつ病が完治し、妻に余計な負荷を掛けずに、逆に助けることが出来る状態になるのがいいのだが、この低空飛行の毎日で、一気に状況が好転することは難しかった。…一体どうすればいいのだろうか?

我が家は、このような不安定な状態ではあったが、お構いなしに年末年始はやってくる。子供達も冬休みに入り、家に居る。私にも一週間ばかりの休みがあり、一家揃って正月を迎えることが出来た。

ちっとも良いことのない一年だったが、それだけでも良しとしなければ…。私は初詣のお参りで、そんな風に思うのだった。

 

うつ病物語 その62へ     うつ病物語 その64へ     うつ病物語 その1へ

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事