うつ病物語 その68「休職の勧め」

うつ病物語

本人は頑張っているつもりでも周囲にはバレバレ

重苦しい動作、覇気のない表情、口数は少なく声のトーンも低い。本人は頑張っているつもりなのだが、周囲には分かるこの現象は、日に日に悪化していった。

上司Aからアドバイスされた朝の挨拶も、何とか口が動いている程度のもので、全く声が出てこなかった。変に思われるかも知れないが、これは本当のことだ。

心配した上司Aが声を掛けてくれる。

上司A「おい〇〇、やっぱり声が出ないか?さっきも顔が強張っていて初めて見る表情だったぞ。」

私「…はい。なんとか会社に来ている感じで、毎日辛いです。…頭では分かっているのですが、身体が反応せず、他人と会話するのが苦しいです。」

上司A「体が拒絶してしまうのは重症だと思う。それに、徐々に悪くなっているんじゃないか?」

私「そうですね…。仕事の意欲無く、集中力は散漫で考えることが出来ない。長年やってきた仕事で、半日で終わるような仕事に2日も3日も掛かったりしています。」

ついに休職を勧められる

上司A「う~ん…、このまま行くと、また会社に来れなくなってしまうんじゃないかと心配している。前は、会社に来れなくなって長期で休んだが、今回は、そうなる前に、自分で決めて休職に入ったらどうだ?」

休職…。そうか、会社側でもそういうことを考えるのか。私は今、そういうレベルの状態なんだ…。私は、少し驚きながら、そんな風に思った。

私「確かに、医者からも、妻からも休むことを考えるよう言われています。役員Aからは、気の持ちようだ、治そうという強い意思が必要だと度々言われて、言っていることの理解は出来ますが、身体がついていきません。医師からは、そういう気持ちを持てなくなる病気だと言われてもいて…、両方の話を半々で聞くようにしています。」

上司A「役員Aの話は、回復に向かえるところまで浮上した時の考え方であり、今の〇〇の場合は、それ以前の状態にあると思っている。当面の引継ぎを早めに済ませて休職した方がいい、分かったか?」

休職する、と聞いて、正直ホッとした。本音では引継ぎ業務の準備すら困難であったが、何とか手を付け始めた。上司Bと部下にも、近々休職に入ることを説明する。

治すことを第一に考えた方がいい

翌日、役員Aと上司Aの3人で面談を行った。役員Aからは、自分の満足のいく仕事が出来ない状態であれば、自分の健康を第一に治すことを考えた方が良い。〇〇の調子が悪くなっていることは周囲も気付いている。4月の人事まで待とうかと思っていたが、通勤途中に考え事をして事故を起こしたりしては大変だし、早急な対応が必要だと考えた。との説明があった。

役員A「…強制はしないが、休職した方がいいんじゃないかと思う。休業補償なので経済的な問題はあるが、奥さんと良く話し合って決めなさい。」

私「はい。分かりました…。」

役員A「今のお前は、こういうことを考える力も落ちている。どうしたらいいか判断がつかないんじゃないか?まずは自分の健康だ。最後は奥さんしかいないんだから、よく話し合うようにな。」

家に帰り、妻に経緯を説明する。そして休職のことを告げると、「私もそれがいいと思うよ」と同意してくれた。次の日、会社を早退した私は、妻を呼んで、上司Aと3人で、これからの休職について話し合いの場を持った。

上司Aからは、先ずは休むこと、職場から離れて静養することが病気を治す近道と考えた。少し良くなってきたら、身体を動かしたり、趣味を作って社外の付き合いを広げていくといい、などといったアドバイスをもらったが、今の私には、遠い先の話にしか聞こえなかった。

こうして私は、5週間の休職明けから復職した後の僅か7ヶ月後、再び休職に入ることになった。

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