うつ病物語 その179「うつ病から復活した私の部下として『うつ病社員』が異動してきた!」

新たな「うつ病罹患者」が発生!

休職から復帰して順調に2年が経過した私は、繁忙期につき2シフトで稼働する工場の『夜勤チーム約60名』の責任者として仕事をすることになった。

昼と夜に分かれるメンバーの人選は私が原案を作り、主力組から内々に意向を吸い上げて編成したので、C工場長他からは反対意見もなくスタート。

やはり最初の数日こそドタバタしたが、その後は順調に稼働し、私は生活リズムの逆転に苦しみつつも家族の協力もあって、充実した日々を送っていた。

そんな時、夜勤チームのリーダーで、中堅の叩き上げ後輩Yが私に相談を持ち掛けてきた。

後輩Y「あのさ〇〇兄(後輩Yは私を慕ってこう呼ぶ)、前の職場で一緒で仲も良かったJがさ、なんか精神をやられて一ヶ月くらい休んでるっていうんだけど聞いてる?」

私「え?そうなの?…いや、知らないな」

総務部の課長だった頃なら、第一番に入ってきた話だったが、工場部門で今は夜勤の私には、なかなか入ってこない情報だ。

後輩Y「そっか…、や、オレこの前、ちょっと噂を聞いたもんで、あいつに様子伺いのLINE送ったら『よければ会って話をしたい』っていうんだよね」

私は、その際には努めて聞き役に徹するように後輩Yにアドバイスし、YでもJでも、いくらでも相談に乗ることを伝えた。どうやら、Jは後輩Yと非常に親しいことから、Yや私と同じ職場への異動を希望しているようだった。

後日、Yからは、Jは睡眠障害や抑うつ症状に悩まされており、会社を辞めるところまで思い詰めていたが、Yは、家族がいるのに退職を選ぶのは早計であること、またYや私がいるこの職場ならJを救えることを訴え、職場異動希望を出すようアドバイスした。

また、後輩Yは、Jが復帰の際には、今、非常にチームワークの良い夜勤シフトでの復帰を提案していた。

私は、後輩Yのこうした動きに感謝しつつ、もしこの案件がゴチャつくようなら、本社人事部の友人Aに相談するつもりであったが、結果は、すんなりとJの意向が通り、一ヶ月半に渡って会社を休んでいたJは、私や後輩Yの居る職場に異動することになった。

うつ病から復帰してきた部下と対面する、元うつ病の私

そして、一ヶ月半ぶりに出社してきたJと対面する時が来た。

私「いや~、今日は相当緊張して会社に来たでしょ?」

J「あっ、ハイッ、そうですね」

当たり前だが、やはりJは硬さが感じられた。私は、自分自身の時のコトを思い出して、ちょっとほろ苦い気分になった。

しかし、後輩Yの事前の計らいなどもあって、職場の面々はJを温かく迎えていた。私は、その姿を遠くから眺めて安堵し、頃合いを見計らってJを事務所に呼んだ。

うつ病休職からの復帰者を、つい2年前にうつ病から復帰してきた私が出迎える。まさか、こんなことが現実になろうとは…。

私は、ちょっとした高揚感を感じずにはいられなかった。

 

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