うつ病物語 その180「うつ病の部下は、やっぱり私と同じ症状で苦しんでいた」

やはり『あそこ』はうつ病を発症する職場なのか?

一ヶ月半の休職明けで異動してきたJは、元々は工場部門の所属だったが、社内的な事情で異動になり、私がうつ病になった総務部管轄で一年近く仕事をした後、この春から新設された部署に配属されていた。

新しい部は総務部と同じフロア内で、直ぐ近くには私の「うつ病発生原因」である役員Aとか上司Aの席があること、また、新しい部の部署長は上司Bが兼務しており、この一年間のJの職場環境は、私がうつ病を発症した時に似ていた。

新設された部署には当然ながらノウハウが無く、また新設部署の業務に関する精通者も居なかったため、色々と手探り状態でスタートしなければならなかったが、未経験のJを含めて、配属されたスタッフは現場作業はともかく、立ち上げの仕組み作りや管理全般の力量が明らかに不足しており、バランスを欠いているなと私は思っていた。

そう感じていたのは私だけではなく、同期のD工場長も「新設部署、あのメンバーなら何かとJに負荷がかかりそうだけど大丈夫なのかね?」と心配していたし、そう考える者は少なくなかった矢先の出来事。

それだけに私は、Jがどのような状況下でどう苦しんできたのかを詳細に想像できた。

同じ職場に「うつ病仲間」が出来る…!

私「…いやいや、大変だったね、辛かったでしょ。『うつ病』を疑いながら会社に来ている時も、そして休職中も」

J「はい…、そうですね。『うつ病チェックシート』みたいなものでチェックすると『うつ病』だと結果が出るんですけど、やっぱりそうは思えなくて…、でも休日も含めてずっと具合は悪くて…。あと、休職中はずっと寝てばかりいました」

私「うんうん、俺ん時と一緒だね。俺も一ヶ月くらいずっと寝てたよ。あと、医者にどう言われても『うつ病』だと思い切れないんだよね。…自分がそんな病気だと思いたくないというか、確たる証拠があるわけじゃないしね…」

J「そうなんですよね…」

私とJは、ざっくばらんに「うつ病あるあるネタ」を話し合ったが、どれもこれもが面白いくらいに合致した。

Jは、周囲の誰にも分かってもらえない、この病気のことを、復帰異動先の上役である私が、経験者ゆえに詳しく、また理解してくれること、更に、自分が発症した環境のことも良く分かってくれることによって、凄く気持ちが楽だと話してくれた。

私は私で、世間で一番誤解されている病気「うつ病」について苦しんで、これから復活しようとする者が同じ職場に居て、上司としてその回復度合いをつぶさに観察できること。しかも、病気の先輩として多少なりとも上手く導くことが出来るかもしれないということが嬉しかった。

 

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