うつ病物語 その117「仕事って一体何だ?」

仕事のモチベーションって何だ?

新しい職場に異動しての1週間が無事に過ぎ、早くも2週目に入った。前の職場では、ほぼ座った切りの仕事だったのだが、今は真反対、座るのは休憩時間と昼食の時だけである。実際のところ、もう若くはない身体はアチコチ悲鳴を上げていた。

しかし、精神的には、極めて健康的な毎日である。早起きし、朝から肉体労働に励み、収支を持った”工場”の一因として生産活動に勤しむ。ここには、何処に導火線があるか分からない上司Aや、パワハラ・モラハラを是とする役員Aも居ない。

確かに、そのことは私の修復中のメンタルにとって良い環境にあることは間違いない。しかし、もっと重要な点があったのだと私は感じている。毎日仕事をすることに対する、もっと根源的なことである。

多くの工場(=ものづくりの現場)がそうであるように、私の所属する工場の存在意義は、「日本中のユーザーのために供給する製品を作る」ことである。

このように言葉にすると簡単だが、責任は重い、しかし、仕事の本質、仕事へのモチベーションの根源とは、こういうところにあるのではないだろうか?

思えば私は今まで長い間、当社の末端ユーザーとはかけ離れた仕事をしていた。私の仕事の相手は、経営者や各部署の収支責任者であり、後は本社の経理部やシステム会社、それに税務署や公認会計士であった。

経理部や総務部のような管理部門は、会社組織には必要不可欠ではあるが、私は、あまりにもそこに長く居過ぎたのかもしれない。そう、何か自身の芯となるアイデンティティがあやふやになって揺らいでいたところに、パワハラやモラハラを受け、支えるものが無くなって、精神が崩壊してしまったのではないだろうか。

今の師匠は還暦過ぎのアルバイト

今、私に対し仕事の手ほどきを一番してくれているのは、60歳を過ぎたアルバイトである。もうそんなに頑張って稼ぐ必要は無い人達なので、感覚が違うところはあるが、長い経験を活かした手際の良さや器用さは、自分には無いところであり、非常に参考になる。

向こうは向こうで、最初は”うつ病の長期休職者”である私に気を使っている風であったが、段々と打ち解けてきて警戒心を解いたようで、凄く気さくに面倒を見てくれている。

こんな感覚は新入社員以来であり、とても懐かしいと同時に、心が洗われるような気持ちを感じながら、毎日を過ごしている。

先々は、彼らをコントロールする責任を負わなければならない立場にあるが、今は、この機会を貴重なものとして、精一杯教えてもらおうと思っている。

 

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