「風の谷のナウシカ」というレジェンド

昨晩(2020年12月25日)、アニメ界の巨匠である宮崎駿氏の代表作のひとつ「風の谷のナウシカ」がまたまた放映された。一体何回目の再放送なのかな?‥20回くらいな気がするけどもっと多いかもしれない。

これだけの有名作品なので、もちろん私は「風の谷のナウシカ」の主人公がナウシカという女の子で、インパクト抜群の巨大ダンゴムシはオームという名で、双方が理解し合う世界をナウシカが導く話だというのを知っていた。

‥はい、この段階でズレてます。実は漫画やアニメの結構なオタク(一流のオタクには全く及ばないけど)な私なのに、これだけ再放送している「風の谷のナウシカ」を、今まで通してきちんと見たことが無かったのだ。

ナウシカ=カリ城のクラリス

元々はひねくれ性質な私は、世間があまりにも「ジブリ」と「宮崎駿」を絶賛し、「風の谷のナウシカ」を伝説扱いするものだから、なんか嫌気が差してしまい、ちゃんと見てないのにもう分かったつもりで避けていた。

避けていた理由はもうひとつあって、ナウシカが「ルパン三世~カリオストロの城」のヒロインであるクラリスそのままのキャラだと思っていたのがある。ビジュアルは元より、声をあてている人が一緒なので余計に「ナウシカ=クラリス」度が高い。

カリオストロのお姫様であるクラリスは決して嫌いなキャラじゃないけど、クラリス系のキャラが主人公の作品には全然そそられなかった。更にその昔、私は「風の谷のナウシカ」の原作漫画を読んだこともあったのだが、なんだか凄いなーとは思いつつ、宮崎駿氏の世界観の深さについていけず脱落した経験も悪い方向に作用していた。

クラリスを活発系女子にしたナウシカが空を飛んで大活躍し、オーム達と共存する世界を切り開く…。ヒロインであるナウシカの魅力満載な映画、私には合わない、恥ずかしい気持ちになる作品に違いない、と、勝手に解釈していた。

やっぱり「風の谷のナウシカ」は名作だった!

仕事納めの日、再放送のことを知った私は、十代の頃から毛嫌いして触れて来なかった「風の谷のナウシカ」を一度しっかり見てみようかな?という気持ちになぜかなっており、驚く妻や息子達を尻目にしっかり向き合って鑑賞した。

するとどうだ!「風の谷のナウシカ」は私の事前予測とは全く違うテイストの作品だった。ヒロイン萌え要素なんかは殆ど(ゼロではない:笑)なく、主題のテーマは重くて複雑だった。空中戦のシーンは後の宮崎駿作品「紅の豚」以上にプロペラ機の空戦でビシッと決まっていた。

背景も映像美も素晴らしく、終盤に登場した巨神兵のレーザービーム攻撃のシーンは、現代に繋がるアニメーション表現の先駆け間違いなしで屈指の出来栄え。ナウシカは健気で可愛らしいし、他にもカッチョイイおっさんキャラや好青年も出てきて完璧。しっかり楽しんでしまった。

食わず嫌いは人生の大損だ!!

もっと早くに見ておけば良かった…というのが鑑賞後の第一印象。宮崎駿作品で一番好きな「もののけ姫」の原型といってもいい作品だった。

「風の谷のナウシカ」は1984年に公開されたのでテレビ放映は80年代後半のはず。こんなに賞賛されている作品で、しかもテレビで幾度となく放映されていたのに、ざっと30年間も避けていた自分が本当にアホらしい。

これは映画や漫画に限らないが、勝手な思い込みでの食わず嫌いは人生を大いにつまらなくする。ちゃんと見てもいないのに「どんせこんなんでしょ?」と決めつけてスルーすることが、今回の「風の谷のナウシカ」により大損でしかないことがよーく分かった。

実は私、「半沢直樹」もそのパターンで、今年の復活版でその面白さを目の当たりにした。そりゃ「倍返しだ!」が流行るワケですよ。だってこんなに面白いんだもの。

これからは、妙に構えたりせずに、先ずは素直に堪能していこうと思う。私はもう50年生きてきたので、上手くいってあと20~30年分しか時間は残されていないのだ。自分に合うか合わないかは堪能した後でゆっくり判断すればいいし、なんなら保留のままでもいい。余計な先入観をゼロにすることが、先々の人生を豊かにしてくれるのは間違いない。

 

ひとりごと雑記 その12「いつまで『野球部=坊主頭』を続けるの?」へ進む

ひとりごと雑記 その10「鬼滅の刃で200奥円の煉獄さんは興行収入の歴史を塗り替えるか?」へ戻る

 

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事