うつ病物語 その31「徐々に回復?一進一退の日々」

うつ病物語

少しずつ回復を実感する日々

妻が職場の上司と面談して一週間が経った。休職に入ってからは3週間ほどになる。この頃になると、休職直後のどん底状態から少し浮上したような感触を得ることが出来るようになっていた。

相変わらず、昼前までは布団から出ることは難しいが、調子が良い時は子供達とキャッチボールをしたり、近くの河口に釣りに行ったりしてみた。平日の昼間というのは、時間の流れ方が違う。とてもゆったりとしているように感じ、心身ともリラックスできた。

しかし、良い状態ばかりでなく、部屋にこもって家族とも会話をせず、一人で沈んでいるような日もあった。休職している自分にも少し慣れて、何か行動を起こそうかな?と思いつくが、身体はだるいままなので、やっぱり横になる。そんな感じだった。

ただ、確実に最悪期からは脱出していた。そのことが何よりも嬉しく、時間をかけて休息を取ることの大事さを噛みしめる日々だった。

本社にいる友人からの電話

そして、3週間ぶりの診察日が近づいてきた。診察時に話すことをノートにまとめていると、携帯が鳴った。職場かと思ったら、そうではなく、特に親しくしている本社人事部の友人からだった。彼は、休職している私を心配して電話をくれたのだった。すっかり気弱になっている私は嬉しくて感動した。

彼は、労働組合の委員長をしていた時の経験と、広い人脈をもとに、私のうつ病の直接の原因となっている役員Aの人となりや言動全般を把握しており、旧知の仲である私がうつ病で休職していることを知り、役員Aからの相談を直接受けた上で、「〇〇のうつ病の原因は、貴方(役員A)」だと本人相手にハッキリ指摘するなど、側面から支援してくれていたのだった。

彼は、自らの体験談も元に、じっくり焦らずに、職場のことは忘れて、プライドも全部捨ててゆっくり休んだ方がいいとアドバイスをくれた。

しかし、友人の言う通りだとは思ったが、私はそういうことが苦手な性格であった。プライドがあるつもりはないのだが、何か頑固なところがあり、職場においても、自らをオープンにさらけだすようなタイプではなかった。

うつ病、回復の実感探し

明日は診察日であるが、冷淡とも思える医者の対応には話しにくさを感じていた、また、休職3週間が経って何か手応えのようなものが欲しかった私は、通勤ルートを車で走ってみることにした。

3週間ぶりの通勤経路は、季節の変化を感じる景色だった。北海道の春は遅いが、さすがに緑が濃くなってきていた。運転中、休職に入る前にあった色々なことが思い出される。

出勤中の気分がリアルに掘り起こされる。今は随分と楽に過ごさせてもらっているが、いつかは復帰しなくてはならない。皆、私のことをどう思っているのだろうか?業務は上手く回っているのだろうか?自然とため息が出た。

会社が近づいてくると、手に汗をかいていることに気が付いた。やはりまだ普通ではない、と実感する。そして、胸のあたりが強張るような苦しさも出てきた。やはり、まだ時期尚早だったようだ。残念な気持ちと、ホッとした気持ちが同時に沸き上がる。私は、会社の敷地内の近くを通り過ぎ、自宅に向かってUターンした。

「焦りは禁物ですよ」

医者にも、本にも、本社の友人にも言われた言葉を、私はリアルに思い出すのだった。

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