うつ病物語 その75「身体は正直」

うつ病物語

職場からの電話

昼食を済ませてブログ記事を書いていると、携帯が鳴った。上司Bからだった。

私「もしもし」

体調は悪くなかったが、申し訳ない気持ちが先に立ち、自然と低い声になる。

上司B「あ、今、大丈夫?体調悪くない?」

私「いえ、大丈夫ですよ。何かありました?」

用件は、年度末決算を間近に控え、経理と税務のスケジューリングや具体的な処理方法についての問い合わせであった。最低限の引継ぎも十分ではなかったので、これは仕方がない。電話では限界もあるが、なるべく詳細に説明をする。

上司B「ん~、何とか話は見えてきたけど、かなりキツイね。〇〇君、今までよくこれ一人でやっていたね」

私「あ、いえ、長年やってきましたし、私にはこれくらいしか出来ないので…。」

上司A「…しかし、とてもやれる自信がないよ。〇〇君、内緒でヘルプというか、説明とかチェックに来れないかい?」

電話で説明出来ることには限りがあり、私の脳裏にもちょっとそのことが浮かんできていた。

私「…そうですね、日曜日とか、短時間なら何とかなると思います。すいませんが宜しくお願い致します。」

電話を切った後、何とも言えない憂鬱な気分に襲われてしまった。ここまで長い休職を経験して初めて分かったが、休職というのは、切られた傷を塞ぐための時間なのだ。

しかし、こうやって仕事の問い合わせや、ヘルプに行くということは、塞がりかけた傷を、ちゃんと付いたかな?と手で確かめるような行為である。傷口は、手で突けば痛いし、下手すると傷口は開く。

それでも、のうのうと休んでいる自分は、まだ職場に必要とされているのだ、という実感は悪いものでは無い。翌週の日曜日、案の定、上司Bから呼び出し伺いの電話が鳴り、私は久し振りの会社に向かった。

気持ちと裏腹に身体は正直に反応

会社に着いて、職場に上がると、自然に身体は委縮する。条件反射のようだった。そして、上司Bに色々と説明しているうちに、身体に異変が現れた。

あれ?何だか胃が痛い…。下腹部をぐーっと押されるような鈍痛が続く。

話を続けていると、携帯が鳴った。心配した妻からの電話だった。

上司B「奥さんかい?」

私「…はい、なかなか帰ってこないので心配したみたいです。…すいません、そろそろ帰ります。」

上司B「それがいいよ。色々ありがとう。」

帰り道、仕事の話のついでで、上司Bに新年度の座席配置図を見せてもらったが、私の席は端っこに寄せられていた。しばらく戻ってこないだろうという会社側の認識なのだが、私にとっては、帰る場所がもう無くなりかけているように感じ、少しショックだった。

 

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