うつ病物語 その153「どういう時に”うつ病”からの回復を実感するのか?」

復職から間もなく一年…

私は今、”うつ病”からの回復というよりも、これはもう完治なんじゃないか?という感覚を持って毎日を過ごしている。

私の場合は5か月間の休職だったが、たとえ長い期間を使って、それまでに受けたダメージを癒したとしても、その後、うつ病を発症した時と同じ環境に復帰した場合には、あっという間に再発してしまうだろう。

私は新天地に異動しての復職で、そのお陰で順調に過ごせているのは間違いない。復職直後は、定時退社だったり業務負荷を軽くするような配慮を色々と頂いたが、今は一端の戦力として計算されるようになり、かつ管理職としての動きも徐々に出来るようになってくるのと連動して責務も増えてきた。

と言っても、それによってうつ病真っ最中だった時のように、異常に気分が落ち込んだり、持っていき場の無い虚無感に襲われたりするようなことはなく、ただただ普通に疲労感や使命感を味わうだけだ。

私の場合のように、うつ病で休職に至ったような場合は、元の職場から離れて新しい環境で復帰した場合の方が、圧倒的にその後の経過は良いと聞いてはいたが、正にその通りだ。

なぜ私は最近「治った」と思えるのか?

”うつ病”には、色々な身体・精神的な不調を伴うが、その症状の一体どこからが病気で、どこまでは普通の人でもあることなのか?また、ただの疲労からきているものなのか?など、”うつ病”と”普通の気落ち”の線引きは非常に曖昧で分かりにくい。

よって、具体的にどのようになれば「治った」と言えるのかも、とても難しい。熱が下がったり、咳が出なくなったり、歩けるようになったり、という、他人に説明しやすいものがないからだ。

しかし、自分自身が「治ったかな?」と思うようになったということは、何かしらの変化を自分で感じ取っているということに他ならない。少し考えてみると、この1年色々な細かい変化が積み重なってきたのだが、一番大きな変化、ふと気付いた変化はこれだ。

「うつ病だった自分を、過去の自分の姿として振り返ることが出来ること。」

これは、職場復帰してから半年が過ぎた頃から徐々に出てはいたのだが、特に最近、妻との会話のなかで、「いや~、あの時はさ…。」とか「まあ、あの頃はなあ、もう既に病気だったと思うよ。」など、うつ病真っ最中だった時のことを、過ぎ去った過去としての視点で話している自分に気付いたことだった。

 

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