うつ病物語 その139「役員と従業員の大きな隔たり」

うつ病物語

久し振りの無茶振り

急遽の役員面談は、C工場から朝イチで言われたのだが、最初の話では、8時40分から実施するとのことで、正に急すぎる命令だった。

何しろ与えられた時間は30分、こちとら、役員面談を実施しないと聞いていたので一切の準備をしていないのだ。イヤイヤ、困ったなと思いつつ頭を整理していると、内線が鳴った。

私「はい。」

□□次長「あ、すいません、〇〇課長ですか?C工場長から聞いたと思いますが、先程連絡した役員面談、今日の16時からということに変更になりましたので。」

私「ああ、はい、そうですか、分かりました。16時からですね?ではその少し前に本社事務所に行くようにします。」

□□次長「すいません、宜しくお願いします。」

夕方からなら、まだ話も分かる。私は少し安堵した。

この春から赴任してきた総務の□□次長は、新社長が本社直系の支社から引っ張ってきた人物であるが、上司Aや上司Bからの評価は随分と低く、特に私が担当していた経理や税務、システム管理全般といった業務の多くを被るはめになった上司Bは、□□次長の実務能力について、総務系はソコソコだが、経理系が全然出来ないことについてボヤいていた。

…や、しかし、□□次長も、常に気まぐれで進路を変える台風のような役員Aや、瞬間湯沸かし器の上司Aを相手にしている上、今や経理を束ねることになってしまった上司Bの、半分素人といえる捌きに対し、色々と苦労しているに違いないのだ。

そうした環境下で、その上の階層である役員連中から急な変更指示を矢継ぎ早に出され、色々な思いを押し殺しつつ各所に連絡して調整をしなければいけない役目のやり切れなさは、私も存分に味わってきた。

…実際のところ、反抗心が頭をもたげることはしょっちゅうで、何度か小さな抵抗をしたこともあるが、決まって散々な結果に終わっていた。そんな経験も踏まえ、私はいつの頃からか、役員(=経営者)絡みであれば、例えそれがどんな理不尽な指示であろうとも、それは”アリ”なことだと割り切ることにしていた。

たとえ管理職といっても、経営層からしてみれば所詮は従業員、抵抗することが許された身分ではないというのが、30年近く会社に奉公してきた私の実感だ。それは会社という組織に属して給料を得ることを選択した我々の宿命と言ってもいい。皆、そこを我慢して耐えて、収入を得ているのである。それを受け入れられないという場合には、脱サラしか道は無い。

だから、いかにも上から目線の偉そうな役員面談にも、「へいへい♪」と従わなくてはいけない。

予定の時間になり、私が本社事務所の応接室に入ると、役員がゾロっと並んで座っていた。

 

うつ病物語 その138へ     うつ病物語 その140へ     うつ病物語 その1へ

コメント

タイトルとURLをコピーしました