うつ病物語 その182「元うつ病管理職と寛解を目指す部下」

うつ病物語

元うつ病管理職と寛解を目指す部下

これから寛解を目指そうというJにとっては、発症の経緯も復帰後の経緯にも詳しい管理職が異動先にいることは、やっぱり気持ちが軽くなることだと思う。

私の場合は、うつ病の経験者ではないC工場長の対処や距離感が極めて良かったこと、また異動先での私は年長者でしかも管理業務畑の人間だったため生産現場としては単純作業以外はハナから当てにしていなかったハズ。お蔭で私はじっくりと現場の雰囲気を味わいながら徐々にステージを変えることが出来た

ゆっくりじっくりと…。
特にこの病気の回復にはその心構えが必要だ。

Jには、そのようなことも含め、ちょくちょく工場の片隅や休憩室でショート面談を行っていった。
その度に、「Jもそうだったのか!いや、オレもさ~」という展開になり、Jとしては共感者と話すことで、「自分がおかしいのではない、これは病気なんだ」という風にリセットさせる効果があるように私には映った。

うつ病回復に焦りは禁物なのだが…それが難しい!

しかし彼は、早く治したい、という思いと元来の勤勉さがどうしても前面に出るのか工場にある設備の運転を覚えたいと言ってきたり、何か説明をしている時にも一生懸命メモを取ったりとか、前向きに頑張り過ぎる傾向があった。

私「あのさJ、仕事に向き合う姿勢としてはとても素晴らしいんだけど、そんなに焦ることないよ。病み上がりなんだし。特にこの病気は、ねえ?」

J「はい、でも、私も職員(正社員)ですし、こんなに気楽な単純作業をしていていいのかとつい思っちゃうんですよね…」

私「いやいや、単純作業をしているのがいい時期なんだよ。もう、言われたことだけを淡々とやっていればいいと思うよ。そうやって半年とか一年とか経った頃に、ちゃんと変化してくるから。本来のJになってきて、本当に前向きなものが内面から出てくるようになるから。職員らしい仕事とか何とかというのはそれからでいいんだよ。」

J「…はい、分かってはいるつもりなんですが、職場の皆を見ているとどうしてもそんなことを考えてしまったりします」

そうだろう。Jの気持ちは非常によく分かる。
私は復職してから一年近くは、努めて割り切るようにして過ごしたが、職場が忙しかったりバリバリやっている連中を目にすれば、軽い仕事をしている自分に負い目を感じ、無理をして頑張ろうとするものだ。

全くそんな風に感じないタイプの人は、他の精神疾患は別としても「うつ病」にはならないように思う。

 

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