うつ病物語 その70「休職して2週間が経過」

うつ病物語

とにかく横になりたい

朝、布団の中で目覚めると「…ああ、そういえば休職しているんだった」と気が抜けて、また目を閉じる。そして昼頃になって、ようやく布団から這い出て朝食兼昼食を食べる…。しばらくはそんな生活であった。

とにかく、何もする気が起きなかった。テレビを見たり漫画を読んだりすることすら興味が無かった。ただひたすら、布団に入って横になっている、すると、知らないうちに眠りに落ちている。

そして、夕食を食べた後、2時間くらいは妻や子供達の会話を聞いているが、直ぐに眠気が襲ってきて、誰よりも早く布団に入る。寝付きに苦労することはなく、ぐっすりと眠りこんでしまう…。こんな毎日だった。

健康な人からすると、信じられないようなグウタラ生活だが、心身の願うままに過ごすとこうなるのだった。「こんなことでいいのか?」という思いは時折あったが、うつ病には、これが一番の薬なのだと信じて、ただひたすら心身の自然な要求に従った。

それでも所用くらいはこなせる

この説明だけだと、寝たきり患者みたいな姿を想像されるかもしれない。しかし、うつ病の程度にもよるが、私のような中程度までのうつ病であれば、身の回りのことや家事、あるいは簡単な仕事など、全く何も出来なくなる訳ではない。

私の場合は、調子が悪い時は横になっていたが、動ける時は、料理をしたり、用事を済ませたりするようにしていた。例えばマイカーの点検をしにディーラーに出向く、ATMでお金をおろす、スーパーで晩飯の買い物をする、などのことである。

しかし、臨機応変な判断力が求められるようなことは急に難しくなる。例えば、保険などを新しく契約したり変更するとか、業者と交渉するとか、そういった類のことは、頭の回転がついていかず、なかなかポイントを理解出来ない。結果、言われるまま流される感じになってしまう、そんな病気である。

ブログ開始に向け、パソコン購入

私の休職は2回目であったため、今回はただひたすら休むこととは別に、何か能動的なことをしないと、自分自身のアイデンティティの回復は難しいと考えていた。そこで、妻とも話し合ったのだが、病気に関連したことを中心としたブログを始めることにした。

家には私用のパソコンがあるにはあったが、相当古くなって動作が不安定だったため、これを機会に買い替えることにした。パソコン購入に向けた家電量販店巡りは結構疲れたが、久し振りの感覚で面白かった。

ブログを始めるのに高性能機は必要ない。私は、安価な割にはソコソコ性能のあるDELLのInspiron15 5000シリーズに決め、早速セットアップを始めた。これも久し振りの感覚で、夢中でセットアップした。私は一時、自分が病気であることを忘れていた。

医者や本に言わせると、こういう時間を持つことが、病気の回復には非常に良いらしかった。

予期せぬ悪い知らせ

それからの日々も寝込む日は多かったが、それでもパソコンをいじる時間があったりして、少しずつ回復に向けた傾向を示していた。そんな時、実家から携帯に連絡が入った。

滅多にないことなのでちょっと焦り気味に電話に出る。両親には、再び休職に入っていることは知らせていなかった。

私「もし?どうしたの?めずらしい。」

母「あ、仕事中ごめんね。」

母の声のトーンが暗い。これは悪い知らせだ、と緊張が走る。

私「いや、で、どうしたの?」

母「あのね、昨晩、おなかが痛くてどうしようもなくて、さっき、〇〇病院で検査してもらったら、大腸ガンだっていうのさ…。明日から市立に入院だと思う。」

母親がガン。全く予想だにしなかった連絡に気が動転する。努めて冷静に、「いやいや、まだ悪い方向にばかり考えるのは早いよ、元気出して。」と声をかけ、私は電話をを切った。

…しばし、呆然としてしまう。さて、どうしようか?息子として取るべき行動は…?

私は自分のうつ病どころではなくなってしまった。

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