うつ病物語 その134「うつ病とかつての仕事」

うつ病物語

うつ病とかつての仕事

新しい部署に職場復帰して2ヶ月が過ぎたある日のこと、工場で身体を動かしていると、C工場長が私の近くにやってきた。C工場長は毎日何度も工場を巡回しているが、私のところに来ることはそんなに無い。

C工場長「あ、〇〇(工場長は私の名前を下の方で呼ぶ)、ちょっと事務所に来てくれるか?」

私「え?あ、ハイ、直ぐ行きます。」

…一体何だろう?新しい仕事の説明だろうか?いや、そんなことなら、もっと別のタイミングで来るはず。何となく緊急性のある事柄に思えた。

工場内にある現場事務所に行くと、そこには上司Bが待っていた。

上司B「あ、〇〇サン、忙しいところすいません。」

私「あ、いえ、大丈夫です。」

待っていたのは、前職場の上役だった上司Bだった。と言っても、5年ほど前に別部署から異動してきた上役のため、私の専門だった経理や税務、またシステム系には詳しくなく、この方面に関しては、私の指示で動いてもらっていた。

しかし、私がうつ病を患って調子を崩してからは、色々な場面で非常に気遣ってくれて、随分と内側から助けてくれた相手であり、私は強い感謝の気持ちを持っていた。

上司B「ああ、〇〇サン、忙しいところ悪いね。」

私「いえ、全然。…で、どうしたんですか?」

上司B「実はさ、週明けに月次報告書を作る予定になっているんだけど、ここの(私の所属する工場)月次を担当している△△さんが、急病でちょっと休むことになってさ、それで代役をやってもらいたくてお願いに来たんだよ。」

月次報告書…。今まで散々、嫌になるくらい作ってきたし、私の場合、全部門について作成した経験があるので、担当者の代わりに作ることなんてどうってことはない。

私「そうですか、分かりました。提出は夕方になると思いますけど、それでもいいですか?」

上司B「ああ、それでいいよ。宜しく頼むね。」

上司Bは、そう言って本社事務所に戻って行った。見送りの最中に、C工場長が私の方を見る。

C工場長「〇〇、大丈夫か?」

私「あ、はい、大丈夫ですよ。」

C工場長「そうか?それならいいけど、…何といっても”ココ”が一番大事だからな。」

そう言ってC工場長は、自分の胸のあたりを軽く叩いた。私が前職場の業務にかかわることで、また”うつ病”の症状が出るのではないかと、C工場長は心配しているようだった。

私「あ、ハイ、…あの、というか、仕事とは違う部分で疲弊していたので…。」

C工場長の心遣いはとても有難かったのだが、前職場の仕事が”うつ病”の原因になったのではないので、少し複雑な気分だった。

 

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