うつ病物語 その113「クソ役員とC工場長の違い」

うつ病物語

役員Aと経営判断

私は異動になったので、これはIFの話になるが、異動せずに元の総務部に戻り役員Aとの密な関係が引き続き続いていくとしたら、私はどうなっていたのだろうか?うつ病の最悪期、回復期を経た私が、発症した時と基本変わらない職場に戻っていたとしたら…。

事業環境が良くないこともあり、役員Aの暴走振りは、やはり激しくなっているようだ。私の業務を一手に引き受ける形になってしまった上司Bへの当たりの強さや、かつての総務の部下達の話からは、その大変さがよく伝わっていた。

しかしそれはポジティブに捉えれば、側面や後方から支える人の苦労はお構いなしとしても、普通の人なら躊躇するような斬新なアイディアと行動力を発揮しているとも言えた。

とにかく行動するのが吉なのか、それとも慎重に構えるのが正解なのか…?国内の経済市況は、もうずっと長いこと活路を見出せないでいる。チャンスがあるのは海外だが、リスクも大きい。

人間である以上、経営者として完璧な人はいないが、とかく行動力と発想力という点で、これほどの能力を発揮する人物は当社の中には居ない。会長も、社長も、役員A(専務)のそういう部分を、大きく評価しているのだと思う。

しかし、私は、この役員Aのおかげで精神のバランスを崩し、5ヶ月も休職した。何とか復職できたからいいようなものの、役員Aは、管理職一人を潰したのだ。会社は、パワハラを黙認し、役員Aの能力を買ったのだ。私は、そんな経営陣の元、新たな職場で再起を図ろうとしている…。

役員Aとは、昼食時、食堂で行き会うこともあるが、私と目を合わせようとしない。全くの無視である。普通、かつての直属の部下なら、たとえ形式上でも「おう、元気にやってるか?」くらい言ってもいいはずである。私は、役員Aの、こういうガキみたいなところが大嫌いである。

しかし、会社にはこういう人もいる

職場復帰から3日が経ったある日、私はC工場長に連れ出されて、仕事の補佐をしていた。どちらかというと冷淡なイメージの強いC工場長だが、私には、二人きりの時を見計らって、一言話したいことがあった。

私「C工場長、あの…。」

C工場長「ん?」

何?といった表情を向けるC工場長。私は、ちょっと恥ずかしいという感情を隠さずに言葉をつなぐ。

私「…あの、こんな病気明けの、面倒くさい奴を引き取って下さってありがとうございます。」

正直な気持ちだった。うつ病持ちの管理職なんて、ひょっとしたら、凄いお荷物になるかも知れないのだ。

C工場長「何を言ってんの~、そういうこと言うなよ。」

私「いや、でも…。」

C工場長「いや、そういうことじゃないんだよ。ウチも急な退職者が出て、人は欲しいしさ。ま、こき使うだけだよ。」

C工場長は、そういって笑った。本当に有難かった。私は笑顔を通り越して泣けてくる気持ちだった。

 

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