うつ病物語 その93「完全寛解はもう少し先」

うつ病物語

低気圧が近づくとやはり…

この日は朝からずっと雨降りだった。こんな日は誰だって気が滅入るが、そういった影響をより強く受けるのが”うつ病”だ。

案の定、何となく元気が出ず、昨日の講習で習ったギターを触る気にもならない。本も読みたくない。外出もしたくない…。結局、昼から寝室にこもって横になっていた。

横になっていても、何となく落ち着かず、スマホをいじったり寝返りをうったりを繰り返す。いっそのこと寝てしまおうと思い、目をつぶる。

すると、胸のあたりからザワザワと寒気のようなものが沸き上がってきた。発熱の時の悪寒とは違う、独特の感じ。とにかく気持ちが落ち着かない。私は、布団を頭まで被り、強引に寝ることにした。目が覚めた後は、不思議と何でもなく、気を取り直してリビングに出ていった。

健康な人からすると、笑ってしまうような現象ではあるが、こんな風に、低気圧が接近してきた時と、私のメンタルの調子には相関関係が現れていた。私も最初は、「天候で抑うつ症状が上下する?そんなアホな」と疑っていたのだが、実際に自分の身体で体感してしまっては信じるほかない。

なお、うつ病漫画「うつヌケ」にもこのことは記されており、急激な温度変化や気圧の変化が、うつ病の抑うつ症状に影響を与えることは確かなようだ。

家族でバーベキュー

この日は土曜日で学校も休み。少し肌寒かったが、天候が良かったので庭でバーベキューをした。ウチのバーベキューは準備に余念がない。食材を買い込んで、鶏モモ肉、心臓、砂肝、豚バラ肉などを黙々と串に刺していく。

まるで内職のようだが、バラバラに網に載せるより焼く時の効率が良いし、気分も出る。なにより美味しいのである。

焼くのが好きな私はバーベキュー奉行となり、次々と無心で焼いていると、向かえに座ってそれを眺めていた妻と義母が、「いやあ、随分と表情が柔らかく穏やかになったよ。」と言ってきた。

私はなんだか気恥ずかしくなり、苦笑いして返したが、こういう、例えばバーベキューでも、心から楽しむことが中々できずに長い間過ごしてきたのだ。

妻と義母によると、こういう家でのプライベートな一時であっても、ちょっと前までは急に強張った顔つきになっていたりしたらしい。

自分ではよく分からないが、家族の観察眼が何より第一である。自分自身の感覚だけでなく、家族にもこのように言われて、「ああ、俺は良くなってきたんだな」と改めて思うことが出来た。

本当に嬉しかった。

 

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