うつ病物語 その54「新しい精神科の医師」

うつ病物語

新しい精神科の医師

1年間通ったこれまでの心療内科クリニックと同じく、また女医であったが、今度の先生は表情が柔らかく、明るい感じを受けた。

医師「では、少し聞き取りさせて下さいね。」

両親や兄弟の有無と居住地、私の最終学歴、学生時代に”いじめ”にあったかどうか、配偶者や子供のこと、同居している義母との関係、職歴と現在の職場での地位、病気を発症してから1年間の経緯、等々、問診票で既に問われたことも含めて広範囲に聞き取りを受けた。これだけで20分くらいは経ったであろうか。

医師「最後に、転院された理由は何ですか?」

私「はい、妻の知人から、この市立総合病院には良い医者が複数人いて、場合によっては医師の交代をお願いすることも出来ると聞いたので…。」

医師「あ、どちらの先生の名前を聞いてきました?」

私「〇〇先生です。」

医師「あ、そうでしたか、すいません、私が担当になってしまいましたが、そちらの先生の方が良いですかね?」

医師は嫌な顔ひとつせずに、医師をチェンジするかどうか聞いてきた。私は一瞬悩んだが、今、目の前にいる先生はまだ若いが相性は良さそうな感じがした。こういったものも縁だし、評判が良い先生だからと言って、私と合うとは限らない。

私「いえいえ、結構です。よろしくお願いします。」

私は、この新しい医師と、この”うつ病”に立ち向かっていくことにした。

 

病名はやはり「うつ病」

私「先生、本を読むと、こういった精神疾患にも色んな病名があるようなんですが、私はいったい何なんでしょう?」

総合失調症とか、躁うつ病とか、どこかで聞いたことのある病名の他にも、どんな病気でもそうだが、このうつ病も、様々に分類されているのだ。私の病名は一体何なのか、私は新しい医者に問いかけてみたかった。しかし、医師はすぐさまこう答えた。

医師「〇〇さんの場合は、うつ病ですね。程度は判断が難しいですが、初期とか軽度の状態ではないと思います。」

一呼吸もなにもなく、即答だった。

私「はあ、やはりそうですか。」

医師「そうです。〇〇さんは、病院にかかり始めて1年ということですが、うつ病はゆっくりと治していく方が良い病気です。急ぐのは危険ですよ。」

私「まだまだ時間が掛かるということですか?」

医師「そうですね。焦らずにゆっくりと時間を掛けていかないと。ご本人としては、まどろっこしく感じるでしょうが、それくらいの方がいいのです。」

なんて面倒くさい病気なのだろうか。こんなに時間がかかる病気はそうないだろう。

 

気落ちした時には「エチゾラム錠」を

いちいちショックを受けていても仕方がない。私はもうひとつ辛く感じていることを相談してみた。

私「あと先生、仕事中に、ドンと気落ちすることがあって、そうなるとしばらく仕事が手に付かなくなるんですが、どうにかならないでしょうか?」

医師「頓服として服用する薬を出しておきましょう。これは毎日飲むのではなくて、落ち込む兆候があった時に飲む薬です。安定剤ですね。他には、何かありますか?」

私「いえ、こんなところです。」

医師「ご本人の意向もありますので、このまま仕事をしながら治療をしていきますが、悪くなった時には会社を休むことも念頭に置いて下さいね。では、次回は2週間後に来て下さい。」

頓服薬の他、抗うつ剤についてはこれまでの薬をそのまま継続することになった。前の病院では、次回はどうするか聞かれた上で、月に一回の診察になっていたが、こちらの病院では、医師の方から2週間と指定してきた。まだ、私の病状のことを測りかねているのだろうし、私が思っているよりも医師は病状を重く見ているのかもしれない。

初回ということもあって、今日は小一時間の診察だった。薬局でもずいぶん待たされて、やはり総合病院らしい重たさがあったが、転院して良かったな、と思える診察だった。

 

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