うつ病物語 その56へ「うつ病管理職と課員達」

うつ病物語

忙しい時の方が体調アップ?

総合病院の精神科への転院以降、体調は上向きになってきていた。丁度、自分の仕事が忙しい時期だったので良かったのだが、上司Aからは、忙しい時の方が調子が良さそうだと評されてもいた。言われてみれば、確かにそんな感じはあった。社員として会社に貢献出来ているという実感が、自身の調子を引き上げているのかも知れない。

たとえ忙しくて帰りが遅くなろうとも、熟練した仕事を自分でコントロールしてやり切ることは、会社人としての充実感に繋がる。あくまで自分としての感覚であるが、往年の処理スピード、判断力がおよそ戻ってきているように感じる瞬間があった。それでも100%ではないが、うつ病真っ最中の時を60~70%とした時に、85~90%に上がっているような感覚はあった。

 

うつ病の上司をもつ課員達

一方、新しく配属された課員は、初心者にはちょっと無理目の仕事をさせていたこともあって、随分と苦労している様子だった。私としては、一応のフォローをしているつもりだったが、経理のマニアックな業務に四苦八苦しているのは、教えている段階から伝わってきていた。

中途採用の彼は、息子が産まれたばかりの気のいい青年で、たとえ時間が掛かっても、しっかり教えてあげたいと思える相手だった。何しろ経理要員が絶対的に不足している状態なので、何とかここをしのぎつつ、彼と、元々いる女性課員を育てなくてはならない。幸い、2人とも人格的に優れ、上手く育てることが出来れば、将来の幹部候補だと私には思えた。

会社組織にとって、人材を育てることは、事業を育成することと同じくらい重要なことであり、その矢面に立った者は、大変であるとお同時にやりがいも感じるところなのだが、如何せん自身の体調がこれでは…と、歯がゆい思いだった。

 

私が病気になったことで増員の方向に

上司Aとの業務打ち合わせの時に、こんな話があった。

上司A「最近の調子はどうだ?」

私「ええ、お蔭様でいい状態が1週間ばかり続いています。」

上司A「そうか、次の日曜日も、〇〇工場は稼働予定だが、お前は休んでいいからな。」

私「あ、はい、ありがとうございます。」

こう言っておきながら、2時間後には正反対のことを言ってくるので、まともに受け取る訳にはいかないが、ひとまずこう言っておいた。

上司A「それから、これはまだ先になると思うが、うちの部署に1人、中途採用で入れたいと思っている。役員Aと、さきほど話をしていた。」

私「ああ、そうですか、ずっと前から私も言ってはいたんですが、なかなか取り合ってもらえなくて…。」

上司A「ウチの部署の場合、まともに戦力になるまで5年はかかるからな。俺も上司Bも先は長くない、早く入れないと〇〇一人(私のこと)になってしまう。」

私「ええ、是非お願いします。」

本来であれば、私が所属している管理部門は収益を生まないため、徹底的に効率化を図って人員削減の第一候補に挙がるようなセクションだが、そうは言っても会社には必須の部門であり、育成に時間が掛かるのであれば、早めの動きが必要であった。

上司Aと上司Bの定年を見越した早めの採用に関しては、今まで、私がどんなに訴えても全く取り合ってもらえなかったが、私が病気になったことで、現場サイドの疲弊振りが経営トップに伝わったのだとしたら、私の病気も救われるというものである。

私は、まだまだ病気とお付き合いしなければならなかったが、この時ばかりは少し嬉しかった。

 

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