うつ病関連 その8「うつ病とタバコの関係は?タバコの抗不安作用は本物なのか?」

うつ病関連

ストレス解消とタバコ

ストレス解消には何をする?

うつ病の原因として先ず浮かんでくるのは「ストレス」。では、ストレス解消と言えば何でしょう?「スポーツ」「愚痴をこぼす」「ギャンブル」「買い物」「やけ食い」「お酒」などなど色々ありますが、手っ取り早いストレス解消として「タバコ」をあげる人もいるでしょう。

さて、非喫煙者には全く分からないと思いますが、タバコを吸うことはストレス解消になるのでしょうか?…自身の経験から、いきなり結論を言ってしまいますが、そうなんです。タバコを吸うと、ストレス解消になります。これは間違いありません。

私のタバコ遍歴

次に、私のタバコ遍歴について、説明しておきます。

20歳過ぎ 職場に喫煙者が多かったことから、自然と喫煙習慣がつく

25歳過ぎ 徐々に本数が増えて1日10~15本ほど、外でお酒を飲むときは一晩で1箱

32歳   妻との生活を機にすっぱり止める、その後は嫌煙家になる

45歳   抑うつ症状に悩まされるようになり、朝の出勤時に吸うようになる

46歳   うつの悪化と比例して本数が増え、朝だけでなく昼も吸うようになる

47歳現在 うつ病による休職中、決意して再びタバコを止める

このように、私は愛煙者と嫌煙者を行ったり来たりしましたので、タバコを吸っていた時の何ともいえない安堵感も、タバコを止めた後の気楽さも、また誘惑に負けて再び吸い始めた時の感覚も、全部経験済みです。

タバコの効能

タバコの害については、健康への悪影響から始まってズラズラと出てくることから割愛しまして、一方の効能はどうでしょうか。

  • 吸うと気分が落ち着く、緊張をほぐす
  • 仕事と休憩の節目になる、より休憩した気分になる
  • 食後の一服や酒を飲んでいる時など、本当に美味しさを感じる
  • タバコを吸うことによって間が持つ

以上、思いつくもの4点をあげましたが、こんなところでしょうか。

ただ、ここの効能については、評価が難しいというか、実は、喫煙者がタバコに騙されているところが多分にあります。私は、一回目の禁煙をして、すんなり成功した後で、この騙しに気が付きました。

タバコの騙しとは?

タバコを全く吸わない人は、先に挙げた「効能」は体感出来ない訳ですが、実は、この「効能」を味わうためには、結構なレベルの喫煙者(=ニコチン中毒者)にならないとなりません。効能だと思っていたことは、実は、ニコチン禁断症状からの一時的な解放に過ぎないのです。

いやいや、と、この私の断定に抵抗してくる喫煙者もいるかもしれません。

「ニコチン中毒は認めるとしても、この一服の美味さはタバコならではのものだ」

「吸いなれないと、この美味さは分からない。酒と一緒だよ。」

果たしてそうでしょうか?先に挙げたタバコの効能が、初めてタバコを吸った人にも同じようにあるのなら、私はこの考えを引っ込めます。

しかし、そうではありません。初めて口にするタバコは、臭い、気持ち悪い、のオンパレード、頭がクラクラするばっかりで、とても美味さなど感じられません。そうなんです、そういう代物なのです。効能とされるものは、立派なスモーカー(ニコチン中毒者)となってから、初めて到達する感覚なのです。

うつ病とタバコの関係

抑うつ症状にタバコは効果があるのか?

では、ここから本題です。

ニコチン中毒者となってから得られるとは言っても、「効能」には違いありません。特に、うつ病による抑うつ症状は如何ともしがたく、何かにすがりたくなります。

私は、そんな時に、タバコで一息ついている良いイメージを思い出しました。「ああ、あの頃吸っていたタバコは美味しかったし、何か落ち着いたよな…。」そんな気分に駆られ、抑うつ気分が最も強い、ある月曜日の朝、出勤途中のコンビニでタバコを買いました。

そして、ためらいながらも火を付けて一服吸いました。記憶に比べて煙たい感じが数倍ありましたが、初めて吸った時とは違い、なにか懐かしい感じがしました。そして、「いいかも」と思ってしまったのです。そして翌朝、再び吸う時には、もう殆ど昔のスモーカー時代の感覚と同じでした。

タバコに含まれるニコチンは、吸ってから数秒で肺から脳に達しますが、そこでニコチン受容体に作用し、快楽物質であるドーパミンを放出させます。私は、久し振りの感覚に酔いながら、やっぱり美味いという気持ちと、やってしまった、という気持ちが同時に沸き起こっていました。

このニコチン受容体は、一度出来ると禁煙してもそのまま残っているのです。私は身を持ってそのことを体感しました。元喫煙者は、煙たいのは最初だけで、直ぐに元に戻ることが出来てしまうのです。

そして、私は、抑うつ症状を紛らわせるために、再びタバコを吸うようになりました。確かに、タバコには抗不安作用があり、一瞬とはいえ、気持ちが楽になります。度々波のように襲ってくる抑うつ症状で、辛い時に一本吸うと、確かにその吸っている間、タバコの煙を眺めている間は、何かスッと解放されたような気持ちになりました。

そういう意味で、タバコはうつ病の抑うつ症状の緩和に効果がある、と言って良いでしょう。

しかしタバコには致命的な欠陥がある

問題は、そのタバコの抗不安作用、気分が落ち着く効果は、ほんの僅かな時間ということなのです。 僅か数分、いや、吸い終わった直後にはもう元に戻っている。タバコを吸ったところで、何も変わらない、辛く苦しい現実…。

吸っている間の数分間だけ、気が楽になったところで、抑うつ症状の緩和に役立つとは言えないでしょう。

問題はもうひとつあります。タバコを一本吸い終わったあと、その直後には、その不安感が増幅されたような感覚に襲われて、また直ぐに火を付けてしまうことです。

不安感を解消するために吸ったのに、吸ったことでその不安感が増幅されるのあれば、タバコを吸う行為自体が本末転倒ですし、うつ病患者はチェーンスモーカーになってしまいます。

まとめ

ここまで、タバコは健康に悪いとか、お金がかかるといったデメリットは無視して、タバコの抗うつ作用だけに着目して考えてきましたが、理路整然と考えてみれば当たり前の現実でした。

元々喫煙される方が、うつ病を患った場合、無理に禁煙するのは止めたほうがいいかもしれません。下手をすると「禁煙うつ」という別のうつ病になってしまいます。

しかし、元喫煙者や、今までタバコを吸ったことが無い方は、抑うつ症状の緩和のためにタバコに手を出すのは止めましょう。

私は抑うつ症状が辛くて辛くて、ついすがってしまいましたが、妻に説得されて、ようやく目が覚めました。抑うつ症状には、何もせずにじっと横になる。この「時間薬」が唯一にして最大の効能を発揮します。

タバコは止めておきましょう。こんな行為、空しいだけです。

 

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