米米クラブ「I・CAN・BE」

1985年リリース、米米クラブのデビューシングル。
当初は色物バンドと見られており、知る人ぞ知るという存在であったが、「浪漫飛行」や「君がいるだけで」のメガヒットで一躍大物アーティストになったバンドである。

その後も息の長い活躍をするバンドのデビュー曲というのは、ブレイク以降と比べるとちょっと異色だったり、妙に歌謡曲ぽかったり、歌唱が違ったりして、それはそれで面白いものだが、この曲に関してはそうした要素は希薄だ。

既に"カールスモーキー石井”のコブシは際立っているし、彼ら独特のリズムも確立されている。失恋をしっとりとポップに歌った曲なのだが、米米クラブならではの、真面目にやっているのかふざけているのか分からない感じも十二分に堪能できる。

この曲については、友人や誰かに勧められたのではなく、自分で発見した記憶がある。この曲が収録されたデビューアルバムを買ったか借りたかして、自分の琴線に触れたのが切っ掛けだった。

その後、米米クラブは、正統派路線が売れすぎたせいなのか、”キレイなバンド”としての楽曲が先行してしまい、すっかり毒気が抜かれたような米米クラブは、私にとって追いかけていく対象では無くなってしまった。

実は、それは彼らにとっても大きなジレンマだったようで、下品でおバカな楽曲ばかり収録したアルバムを出したりして、古来のファンたちの留飲を下げていた。2005年リリースの「米 ~Best of Best」というファン選曲によるベストアルバムには、コアなファンには選曲に不満もあるようだが、メジャー曲に交じって爆笑必死の「東京Bay Side Ciub」や「ホテルくちびる」が収録されているので、入門用としてお勧め。

今でもこの「I・CAN・BE」を聴くと、当時、中学生だった自分の感覚に浸ることが出来る。ファミコンに夢中だった級友達との馬鹿なやり取りは楽しく、学業はちっとも面白くなかった。この頃は、早く大人になって社会人になってお金を稼ぎたいと強く思っていた。

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