【会員番号25番】おニャン子クラブの吉沢秋絵
1986年リリース、吉沢秋絵の2枚目のシングル。
今、吉沢秋絵と言われてもピンと来ない方が大半だと思うが、1980年代中期に大旋風を巻き起こした「おニャン子クラブ」の会員番号25番、南野陽子主演の「スケバン刑事Ⅱ」にも出演していたアイドルだ。
吉沢秋絵は、私と同世代なので現在は50歳代のはず…。年月の流れの速さに気を失いそうになるが、このスケバン刑事が流行っていた中学生の時、私は一時ではあるが、吉沢秋絵のファンということにされてしまっていた。
おニャン子クラブは、グループの中から主だったメンバーが順番にソロデビューを飾っていき、次々と新星が生まれていったせいで、私の友人達は「俺は国生さゆりだ」「いやいや福永だ」「やっぱり河合その子でしょ」等と自身のお気に入りを表明、にわか政党が乱立していく時期があった。
私は一人その流れに乗らず(乗れず)、しれっと眺めていたのだが、その態度に痺れをきらした友人が、まだ誰の支援も受けていなかった(半ば余っていた)吉沢秋絵をあてがわれてしまったのだ。
なかなか聴かせる「季節はずれの恋」吉沢秋絵
私は「スケバン刑事Ⅱ」を殆ど見ていなかったので吉沢秋絵がどんな女子なのか知らなかったが、人間とは不思議なもので、そんな無茶苦茶な経緯であっても興味を持ち始め、どんなビジュアルの女子なのか確認したり、面白いと思っていなかったスケバン刑事をチラッと見たりもして、それはそれで結構面白かった。
その結果、何となく吉沢秋絵に好感を持つようになった私は、友達グループの中で推しのおニャン子をアピールするアホな場に参加して楽しんでいた。
おニャン子は例外もあるが総じて歌唱力(演技力とタレント力も)に地雷が埋まっているタレントが多かったが、そんなことは問題じゃなかった。
たとえ爆発するような音痴でも、敏腕プロデューサーのテクニックとレコーディング技術によって様々な歌があてがわれ、それぞれに味があって楽しめた。
この「季節外れの恋」はスケバン刑事Ⅱの挿入歌として使用されたが、少し寂しげな曲調が私の好みで、一過性のインチキなファンとしては超満足な曲だった。
恐らく、この記事に辿り着いた皆さんが考えている以上に「季節はずれの恋」は傑作で、グッと聴かせるメロディを持っている。
是非、もう一度思い出して聴いてみてほしい。
なんとB面!おニャン子「会員番号の歌」
さて、この記事を書いていて思い出したが、おニャン子クラブには普通のシングルの他に「会員番号の歌」というのがあった。
ちょっと調べてみると、なんとここで紹介している吉沢秋絵のシングル「季節外れの恋」のB面がその「会員番号の歌」で驚いた。
これは、二十数人のおニャン子が1フレーズずつ交代に自己紹介していくもので、およそ曲とは言えないファンしか喜ばない代物ではあるが、それだけに当時を支えたファンの記憶にグッと残るものでもあった。
私の友人、菊池桃子ファンのアイツは(菊池桃子「ブロークン・サンセット」)は、会員番号4の倍数を広くカバー(4番:新田恵利、8番:国生さゆり、12番:河合その子、16番:高井麻巳子)しており、その無節操さに仲間内から少しだけ尊敬されながらも呆れられていたが、私のように無関心というか、むしろアンチだった者まで覚えているくらいに巻き込んでしまうのだから本当に凄いブームだった。
このアホ友人は熱烈なおニャン子ファンだったので、おそらく今でも会員番号を順番に言えるのでないだろうか。