安全地帯「ダンサー」「ブルーに泣いてる」「ガラスのささやき」
スポンサーリンク

安全地帯の神髄だったアルバムの名曲達

1983年11月の「ワインレッドの心」でようやく売れた安全地帯。

その後の2年間で「恋の予感」「熱視線」「悲しみにさよなら」「青い瞳のエリス」と連続ヒットを飛ばし、トップアーティストとして名を連ねるようになるが、ここに挙げた3曲は、いずれもアルバムの1曲。

1984年5月 安全地帯Ⅱ 9曲目「ダンサー」

1984年12月 安全地帯Ⅲ~抱きしめたい 4曲目「ブルーに泣いてる」

1985年11月 安全地帯Ⅳ 9曲目「ガラスのささやき」

一発当たった芸人じゃないけど、この当時のバンドマンは令和の今と違ってアイドル的な扱いをされていた頃で、いざ売れたとなれば、週に何回もあるテレビのベストテン番組に出演し、雑誌のインタビューに答え、ファンサービスや写真撮影をこなした上で、全国巡業ライブに新曲レコーディングと、気が狂いそうになるスケジュールが待っていた。

ほぼ全ての作曲をしていた玉置浩二も、初めて自分の曲「ワインレッドの心」が街で流れていた時には滅茶苦茶感動したが、その後は何も思わなくなった、と何かで語っていたように、いくら売れたからと言っても、余りに過酷な状態を強いるのは、そのアーティストを精神的に潰すことになりはしないかと心配になる。

安全地帯の土台 アルバムⅡ~Ⅳの3作品

そんなワケで、ブレイクを果たした安全地帯は2年間の間にオリジナルアルバムを3枚もリリースした。

全30曲とも、作曲:玉置浩二、作詞:松井五郎、プロデュース:星勝の布陣で制作、オリコン最高位も2位、3位、1位と正に人気のピークで、特に「安全地帯Ⅳ」は、REBECCAやKuwata Band、松任谷由実などに大差をつけて1986年度の年間アルバム売上トップに輝いた。

安全地帯の音楽性の遍歴を振り返った時、アルバムⅡ~Ⅳは一括りで語られることが多いが、短い期間内で、また同じ面々で制作されているので、それも納得。聴くと分かるが、この3枚のアルバムには同じ時に削り出した共通する何かを感じさせる。

安全地帯のずば抜けたポップス感

私は、当時から安全地帯の大ファンだったが、もしアルバムを買うことがなかったら、ほどほどの付き合いで終わっていたと思う。それだけ、当時のアルバム曲は粒ぞろいで、私にとって代えが効かない存在でもあった。

この3枚に収録されたアルバム曲は、聴きやすさと、ひと癖アリ感が絶妙な配合でブレンドされているが、特筆すべきはアレンジがお洒落なこと。また松井五郎の詩は感覚的で、それらが醸し出す音楽は、中学2~3年生だった私には背伸びした世界であり、夢うつつな感じで聴いていた。

凝った曲も多くて、それはそれで大好きだが、この「ダンサー」「ブルーに泣いてる」「ガラスのささやき」の3曲は、特にポップス感(=歌謡曲感)が強く、「ブル~」は外国人歌手が歌ってCMソング、「ガラス~」は田村正和主演のドラマの主題歌になったように、幅広い年代が抵抗なく聴けて、いい曲だね~と感じるものになっている。

自らのルーツは「童謡」だとしたり、「演歌」や「ザ・タイガース」も大好きだと言っていた玉置浩二。

色んな曲を作るし、歌えば超絶的に上手いミュージシャンだが、やっぱりこういうジャンルが一番合っていると思う。

 

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事