自身の作品より提供曲の方が有名
1992年リリース、林田健司の2枚目のアルバムの8曲目。
…というか、SMAPが歌った「＄10」の作曲者バージョンの方。全く知らない人は曲タイトルの読み方で悩むと思うが、「テンダラーズ」と読みマス！
この林田健司というシンガーソングライターは、自らの作品より、他のアーティストへの提供曲の方が有名という、ちょっと変わった人。
有名どころでは、SMAPの「KANSHAして」「青いイナズマ」、またブラックビスケッツの「STAMINA」の他、中山美穂やKinKi Kids等への提供があるが、やはりSMAPへの提供曲が目立つ。
結構キャリアのあるアーティストなのだが、私は全くノーマークで、20代の頃に同僚たちと行ったカラオケでSMAPの「＄10」を知り、青いイナズマが流行った頃にようやく、林田健司という存在を知った。
原作者バージョンの「＄10」は…？？？
で、この「＄10」だが、SMAP版を割と気に入っていた私としては、作曲者が歌うバージョンがあると知って借りてきたものの、あまり期待していなかった。
というのも、「＄10」といえば、もうすっかりSMAPの歌であったし、何よりSMAPに合っていたからだ。こういう場合、原作者バージョンというのは、外す可能性が極めて高い。
いやいや、聴き始める順序が逆だったら違ったのではないか？という理屈もあるが、「＄10」に関しては無いだろうというのが私の事前予測だった。
しかし、である。この原作者バージョンには驚かされた。
SMAPより歌が上手いのは、そりゃ当然かもしれないが予測の範囲を超越した歌唱だった。またアレンジも大分違い相当にファンキー。SMAP版はアイドル用のサラッと爽やかさ重視の仕上がりだが、こちらは濃厚、グッとくるコクがあって癖になる。
や、原作者恐るべし。いい意味で期待を裏切られた私は、以降、林田健司のシングルやアルバムリリースをチェックするようになるのだった。
